再審制度の見直しでは、捜査機関保有の証拠開示拡充や、再審開始決定に対する検察の不服申し立て禁止を盛り込んだ超党派の国会議員連盟による改正法案が衆院に提出されていたが、高市早苗首相が解散に踏み切ることで廃案となる。衆参両院の過半を占めていた議連メンバーの構成が総選挙後にどうなるかは予断を許さず、見直しの行方は一層不透明となった。
改正法案は昨年の通常国会に提出されたが、自民党や公明党、日本維新の会は加わらなかった。自民党内の反対論もあり、提出後は一度も審議されなかった。総選挙後に再提出された場合、賛同する議員の規模によって成否が左右されそうだ。
一方、法務省は20日、法制審議会部会に検察の不服申し立てを維持する試案を示した。長期化の要因と批判されている不服申し立ての是非は、同省の諮問事項の一つだった。
試案には開示証拠の「目的外使用」禁止や、違反した場合の罰則規定も盛り込まれた。公益目的で支援者や報道機関に証拠を示すことが困難になるとして、日本新聞協会などは反対の見解を公表している。
また、再審請求の審理開始の可否は提出された新証拠や書面だけで判断し、理由がないとみなされた場合は棄却を義務付ける規定も新設。証拠開示も審理開始決定後とするなど、再審のハードルがさらに上がる内容となっている。
部会は近く答申をまとめ、その後政府が閣議決定法案として国会に提出する。試案に反対し、議連案を支持する部会委員の鴨志田祐美弁護士は「議連案の再提出と(どちらが早いか)駆け足の勝負になる」と話している。