高市首相説明「具体性欠く」=大義なき解散に警鐘―識者

 高市早苗首相が19日の記者会見で衆院解散を表明した。任期の3分の1も満たさない中での「伝家の宝刀」の行使について、識者は「具体性欠く説明」「大義なき解散」などと指摘した。
 東京大の御厨貴名誉教授(日本政治史)は、「高市早苗が首相で良いのか、国民に決めていただく」などの発言について、「勇ましい言葉を並べていたが、全体的には具体性に欠けていた」と語った。内閣支持率の高さが背景にあるとして「党利党略ですらなく私利私略だ」と断じた上で、「攻めた解散にも見えるが、少数与党での国会対応で切羽詰まっていたのではないか」と推察した。
 解散表明から投票日まで戦後最短となる日程も批判。「一番困っている地方への言及も少なく、雪や受験シーズンの選挙という問題もある中で、本当に国民のことを考えているのか疑問だ」といぶかしんだ。
 「大義なき解散だ」とする木村草太東京都立大教授(憲法)は、予算の成立が遅れることに「国政運営能力という点で疑問符が付く」と非難。公明党から日本維新の会への連立組み替えに対する信を問うとの説明には、「そのタイミングでやるべきだった」といい、「私利私略」による解散であれば、違憲との批判も免れないとした。
 2000年代以降は、国民に問うべき争点が不明瞭な解散が多く、解散権が乱用されていると指摘。「何のための選挙か不明確だと、結果の正統性を弱めてしまう。政権与党となる側にも不利益になることを考えてほしい」とした上で、解散理由を明確にするため「解散権の行使には、議事録に残るよう衆議院で審議する手続きを加えてはどうか」とも提言した。