首都圏の工作機械関連会社の営業秘密を漏えいしたとして、警視庁公安部は20日、不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で、いずれも30代の在日ロシア通商代表部の元部員の男と、同社元社員の男を書類送検した。元部員は「ロシア対外情報庁」(SVR)の機関員とみられる。
警視庁は外務省などを通じ元部員の出頭を要請したが、すでに出国したとみられる。SVRは旧ソ連の国家保安委員会(KGB)が分割されて設立された国際諜報(ちょうほう)を担う情報機関で、ウクライナ戦争が継続する中でも、他国で先端技術などの獲得を狙って活発に活動する一端が明らかになった。
送検容疑は2024年11月~昨年2月、不正な利益を得る目的で、工作機械関連会社の製品の開発アイデアなど営業秘密に当たる情報を2回、口頭で教えた疑い。
捜査関係者によると、元部員は23年春ごろ、偶然を装って元社員に接近。飲食店で面会を重ね、営業秘密を引き出すまでに関係を深めたとみられる。
公安部は、元部員は面会のたびに情報の見返りとして元社員に現金を渡しており、総額約70万円に上るとみて詳しく調べている。