【北京時事】2025年の中国都市部固定資産投資は前年比3.8%減少した。不動産開発投資が大幅に減った上、インフラ投資が減少に転じたためで、全体がマイナスとなるのは天安門事件が起きた1989年以来36年ぶりとなる。インフラ整備で景気のてこ入れを図る経済成長モデルは曲がり角を迎えつつある。
25年のインフラ投資は2.2%減少した。中国では従来、景気が冷え込んだ際に、地方政府がインフラ投資を増やすケースが多かった。ただ、不動産不況の長期化で土地使用権の売却収入が激減し、地方政府の財政が悪化。25年に地方債の発行は増えたものの、膨らんだ借り入れの返済などが優先され、インフラ整備につながらなかったもようだ。
共産党は25年10月に策定した次期5カ年計画(26~30年)の原案で、「投資効率を高める」と表明。世界的に開発競争が進む人工知能(AI)や半導体に資金を重点配分する方針を打ち出した。習近平指導部は「高成長」ではなく「高質量」の発展を目指すと強調しており、ある共産党関係者は「とにかくインフラを整備するという時代はとうの昔に終わった」と語った。
ただ、インフラ整備の縮小は、地方経済の重しになりつつある。雲南省昆明市では、地下鉄の工事が停止したまま。ある外資系企業幹部は「地下鉄が延びると聞いて工場を郊外へ移したが、工事は全く進んでいない」と打ち明けた。
〔写真説明〕工事が止まった地下鉄駅の地上部分=18日、中国雲南省昆明