中国、カナダと関係改善加速=高関税引き下げを確認=トランプ政権念頭に首脳会談

 【北京時事】中国の習近平国家主席とカナダのカーニー首相が16日、北京で会談した。通商・外交面で各国への圧力を強めるトランプ米政権を念頭に、中国・カナダ間の関係改善推進や経済協力の強化で一致。相互にかけ合っていた高関税を引き下げる方針も確認した。
 中国外務省によると、習氏は会談で「両国関係の安定した発展は双方の利益にかなう」と語った。一方で、「主権や領土」の問題では互いに尊重し合うべきだと主張したほか、経済協力を巡っては「互恵的」関係が基礎になると強調。台湾問題や、中国・カナダ間の通商摩擦を踏まえ、けん制した格好だ。
 カーニー氏は「持続可能な戦略的パートナーシップを構築していきたい」と応じ、貿易やエネルギー、農業、気候変動対策での連携に意欲を示した。国際情勢が「変動と混乱」に直面する中、中国と共に多国間主義を堅持していくと語った。
 ロイター通信によると、カーニー氏は終了後、両国が高関税をかけ合っている中国製電気自動車(EV)とカナダ産菜種油に関し、輸入規制を緩和させていくと明らかにした。カナダは2024年、米国と歩調を合わせる形で中国製EVへの100%関税を導入。中国も対抗措置としてカナダ産菜種油に高関税を課していた。
 カナダ側は今後、中国から最大4万9000台のEVを6.1%の税率で購入するという。カーニー氏は記者団に、直近の対中関係について「(米国よりも)予測可能で、結果が出ている」と語った。
 中国とカナダの関係は18年にカナダ当局が中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)副会長を逮捕したことで悪化した。23年には中国によるカナダ議員の脅迫計画を巡り、外交官を追放し合う事態となった。
 ただ、両国は昨年以降、トランプ政権の高関税政策を背景に関係修復の動きを加速させている。今回、カナダ首相の訪中は約8年ぶり。カナダとしては、米国に次ぐ2番目の貿易相手である中国とのつながりを確保し、対米依存の低減を図る方針だ。 
〔写真説明〕16日、北京で握手を交わす中国の習近平国家主席(右)とカナダのカーニー首相(ロイター時事)