江ノ電の「20年ぶり新型車両」ついに公開! 特徴的な座席配置で混雑緩和を目指す “鉄道業界初採用”のモノも

江ノ島電鉄は、20年ぶりの新型車両となる700形を報道公開しました。

窓には「鉄道業界で初採用」のフィルム

 江ノ島電鉄は2025年1月16日、新型車両700形を神奈川県鎌倉市の極楽寺検車区で報道公開しました。同社の新型車両は2006年に導入された500形以来、20年ぶりとなります。今春から営業運転を開始する予定です。

 江ノ島電鉄線は藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ10kmの路線で、定期外客が7割を占める観光客に人気の路線です。近年は外国人観光客の利用が増えており、混雑が激しくなってきています。ただ、「単線で4両編成」という制約があるため、抜本的な混雑緩和は難しい状況です。

 700形では、海側が一人掛けのクロスシートに。クロスシートに座った乗客の足が通路に出ないようにすることで、立客のスペースが増えて混雑緩和が見込めるといいます。

 座席は、体格が大きい欧米の利用者を想定し、1人分の面積が3センチ拡大されたバケットタイプが採用されました。座席区分が明確になり、定員での着席を促進する効果が見込めるとしています。

 また鉄道業界では初めて、割れたガラスの飛散を防ぎ、眩しさを抑えながら景色を鮮やかに見せることができるフィルム「ポジカくっきりフィルム」が採用されたことが特徴です。なお、ドアガラスは複層となっており、この部分には「ポジカくっきりフィルム」は貼られていません。

 外観は、傾斜した大きな前面ガラスや前照灯周辺のシャープなアイラインにより、新しいデザインとなりました。尾灯はLED照明と鏡を組み合わせていることが特徴で、奥行き感を感じられる工夫が凝らされています。

当初は700形2編成を連結した4両で運用

 製造は総合車両製作所(J-TREC)が担当。同社が展開する次世代ステンレス車両のブランド「サスティナ」となります。

 700形は、既存の1000形電車を代替する次世代車両となり、2025年度は2編成が導入予定となっています。江ノ島電鉄は置き換え対象となる車両について、「側面カメラの導入や通話型非常通報装置の設置など、安全対策改造を施工していない、吊り掛け駆動方式の1000形に関しては順次置き換える予定」(鉄道部・運輸課)と話します。

 現役最古となる300形は「今後処遇を検討していくことになる」といいます。なお、700形は現時点で「500形、1500形、10形と連結可能」とのこと。それ以外の形式に関しても、安全対策改造が完了すれば、将来的に連結して運用が可能になるといいます。

 700形は2編成が揃った段階で営業運転が始まる予定。「当初は700形2編成を連結した4両で限定運用する」そうです。ちなみに、700形は50年程度におよぶ運用も可能なように設計されているそうで、末永い活躍が期待されます。

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