米軍の次世代戦車「M1E3」がデトロイトで初公開!見た目はお馴染みのエイブラムスですが、実は「無人砲塔」を採用した別次元のマシンでした。70トンの重さを脱ぎ捨て、AIとハイブリッドで戦う新時代の怪物とは。
デトロイトで「未来」を見せた米陸軍の意図は?
2026年1月15日、アメリカで開催されている「デトロイトオートショー」において、新型戦車M1E3「エイブラムス」のプロトタイプが世界初公開されました。
名称こそ歴代の「エイブラムス」を受け継いでいますが、その中身は既存のM1A1やM1A2の改良型ではなく、車体・砲塔ともに一新された「全くの別もの」といえる仕上がりです。
最大の特徴は軽量化です。現行の最新型M1A2 SEPv3は、重量が70tを超えたことで輸送や橋梁の通過に制約が生じていました。これに対しM1E3は、新装甲材の導入や車内レイアウトの抜本的な見直しにより、車重を大幅に抑制。それでいて防御力は維持、あるいは向上させている模様です。
外観こそ従来のエイブラムスの面影を残していますが、最大の変化は「無人砲塔」の採用です。これにより、従来は砲塔内にいた乗員を、車体前寄りに設けられた強固な保護カプセル(乗員室)へ集中配置。車両全体のコンパクト化と生存性の向上を両立させました。これに伴い、装填手が不要となったことで、乗員数は従来の4名から3名に減少したと考えられます。
実際、公開されたプロトタイプを確認すると、主砲直下の車体前面には大型ハッチが2つ並んでいます。また、砲塔後部には新たな分割線があり、ここが120mm主砲用「自動装填装置」の弾薬庫であると推察されます。
無人砲塔化による設計の自由度向上も顕著です。砲塔上面中央には遠隔操作式銃塔(RWS)があり、その左側には固定式サイト、右側には全周旋回式の独立サイトを配置しています。さらに、ポール式センサーや複数のカメラ・センサー類が備えられており、死角のない全周囲監視能力をうかがわせます。
また、会場にはM1E3「エイブラムス」用の新型トランスミッションも展示されました。軍用変速機の大手SAPA社による「ACT1075」全自動変速機で、許容荷重は55~70tを想定。その隣には、型式不明ながらキャタピラー(CAT)製と思われるエンジンも置かれていました
今回のM1E3公開に先立ち、メーカーのジェネラル・ダイナミクスは2022年、技術実証車「エイブラムスX」を発表しています。同車にはハイブリッド仕様のパワーパックが搭載されており、M1E3もこれを継承している可能性があります。ハイブリッド式であれば、エンジン停止状態で電装系を動かす「サイレント・ウォッチ」や、モーターのみの低騒音走行が可能となり、隠密性は劇的に向上します。
そのため、もしかしたらM1E3も、パワーパックがハイブリッド式になっているかもしれません。ちなみに、ハイブリッド式だと、エンジンを停止した状態でも電装系を稼働させる「サイレント・ウォッチ」や、モーターのみによる低騒音走行が可能で、戦場での隠密性を劇的に向上させられます。
さらに「エイブラムスX」には、最新のAI(人工知能)による射撃管制システムや、ドローン攻撃を無効化する「アクティブ防護システム(APS)」などが標準で装備されていました。こうしたシステムも、M1E3が備えている可能性は高いでしょう。
自動車の祭典に突如として現れた「ハイテクの怪物」に、世界中の専門家やファンが注目しています。