存命親族も高齢化が課題=検察「不服」で長引く審理―再審請求

 再審請求事件では、いったん開始決定が出ても検察の不服申し立てを受けて取り消されるケースが少なくない。申立人になった親族が存命の場合も、高齢化が深刻な課題となっている。
 女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」(三重県)では、奥西勝・元死刑囚が2015年に89歳で病死し、妹の岡美代子さん(96)が再審請求を引き継いだ。岡さんが申し立てた第10次請求は24年に最高裁で認めない判断が確定。今月にも第11次請求を申し立てる予定だ。同事件は05年に名古屋高裁が再審開始を決定したが、検察の異議申し立てを受けて覆された経緯がある。
 「大崎事件」(鹿児島県)では、義弟を殺害したとして懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(98)が既に心神喪失状態にあるとして、長女(70)が8日に第5次請求を申し立てた。同事件では3度にわたり再審開始決定が出たが、いずれも取り消された。
 18年7月に大津地裁で再審開始決定が出て、大阪高裁も地裁決定を支持した「日野町事件」(滋賀県)は、検察側の特別抗告を受け、最高裁で審理が続いている。強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘・元受刑者は服役中に病死し、長男(64)が申立人となった。決定から既に7年以上が経過し、審理の長期化が指摘されている。
 1988年に横浜市で金融業者夫婦が殺害された「鶴見事件」では、高橋和利元死刑囚が21年に87歳で死亡し、妻の京子さん(91)が再審請求を申し立てた。昨年、第3次請求が最高裁で棄却され、第4次請求に向けた準備を進めている。 
〔写真説明〕大崎事件第5次再審請求の申し立てで、鹿児島地裁に向かう弁護団や支援者ら=8日午前、鹿児島市