【ワシントン時事】米ブルームバーグ通信は7日、米政府に対して「トランプ関税」の返還を求める提訴がこれまでに900件超に上ったと報じた。米政権は連邦最高裁で関税措置が違法と判断された場合、巨額の還付を迫られる。だが、企業の間では、着実に返還されるか不安視する声が高まっている。
最高裁は9日にも、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置の合法性について判断を示す可能性がある。これに関連した関税徴収の暫定額は、昨年12月14日時点で約1330億ドル(約20兆円)。関税返還請求訴訟に関係する企業は、豊田通商や住友化学など日本企業を含め、1000社を超えたという。
米国では輸入企業が最初に支払う関税は暫定額となっており、米税関・国境警備局(CBP)が314日以内に正式に確定する。最高裁で違法と判断された場合でも、実際に還付されるか不透明なため、確定を前に企業による同様の提訴が相次いだ。
米国際貿易裁判所は昨年12月、米企業がCBPに対し、関税額を確定させる手続きを一時停止するよう求めた申し立てを棄却した。企業への返還については裁判所の裁量に委ねられる公算が大きいという。
最高裁判断の対象はIEEPAに基づく措置で、日本などほぼ全ての貿易相手国・地域に対する「相互関税」と、中国、カナダ、メキシコに対する合成麻薬「フェンタニル」を理由にした関税が含まれる。9日に示される判断がどの案件に関するものかは事前に公表されていない。
〔写真説明〕関税措置の合法性を巡り口頭弁論が行われた米連邦最高裁判所の前でトランプ政権に抗議する人=2025年11月、ワシントン(EPA時事)