【ロンドン時事】英国の新興右派ポピュリスト政党「リフォームUK」の勢いが止まらない。トランプ米大統領に倣って「英国を再び偉大に」と叫んで支持を広げ、支持率は労働・保守の二大政党を押しのけトップ。4年以内に行われる次期総選挙での大衆迎合政権誕生も絵空事ではない。
リフォームUKは2021年、英国の欧州連合(EU)離脱運動を率いたナイジェル・ファラージ氏を党首に発足した。反エリート主義などを前面に出し、24年7月の総選挙で同氏を含む5人が当選。25年5月の地方選で大躍進し、以来、各種支持率調査で半年以上にわたり連続トップを維持してきた。党員数では今や与党・労働党を超えたとされており、調査会社の議席獲得予想では、下院の半数近くを得て第一党に躍り出るとの結果も出ている。
破竹の勢いの背景には、移民流入や難民への強い反感がある。昨秋の世論調査では移民問題が経済を抜き国民の最大の懸念に浮上。物価高で暮らしが苦しい中、国民は不法移民に多額の公費が使われることに不満を募らせている。「移民を止めろ」のスローガンは多くの人の共感を呼ぶ。
また、既成政党やエリート層への不信感が、民衆の理性よりも感情をよりどころとするポピュリズムへの共鳴につながっている。不祥事続きの保守党は24年総選挙で下野して以降、存在感が急低下し、所属議員のリフォームへのくら替えが続出。労働党もリフォームに押され、移民政策などで右派的な方針転換を余儀なくされている。
マンチェスター大のロバート・フォード教授(政治学)は時事通信の取材に「保守党の脆弱(ぜいじゃく)性と有害性、(改革をもたらせない)労働党政権への不満」がリフォームの台頭を生んだと分析した。
ただ、英国は小選挙区制で、主要政党以外は議席を得にくい傾向がある。現在、コア支持層以外も取り込んで「バブル状態」のリフォームが、支持を保ち続けるのは至難の業だ。フォード教授は「リフォームは英政界を形作る永続的な存在となり得る」ものの、将来的に支持離れが起きて「幸運が逆転する」可能性も指摘した。
〔写真説明〕英国の新興右派ポピュリスト政党「リフォームUK」のナイジェル・ファラージ党首=2019年11月、英国北西部カンブリア州(AFP時事)