公明「中道」戦略で苦慮=高市政権に反発、立民とも距離

 「中道」路線を掲げる公明党が、高市政権との距離や野党間の連携方針で苦慮している。自民党・日本維新の会の連立与党が進めるタカ派的政策への批判を強めつつ、自らが訴える政策実現への協力も期待。中道勢力の結集を呼び掛ける立憲民主党とは一定の距離を置く。野党となって自由度が増したものの、戦略は定まらないままだ。
 「今、明確な野党像があるわけではない」。斉藤鉄夫代表は昨年12月、連立離脱後に初めて臨んだ臨時国会の閉会後、記者団にこう表明。党の針路を巡る苦悩をにじませた。
 象徴的だったのは2025年度補正予算への対応だ。立民と組み替え動議を提出したものの、最終的には政府案に賛成した。党が求めた政策の一部が盛り込まれたためだが、一貫性を欠く対応となり、「野党にもなり切れない、与党からも離れられない」(ベテラン)と映った。
 政権に対し、政策ごとに賛否を判断する「是々非々」の姿勢を続けるのは、党の要求を取り入れさせる狙いがあるためだ。党は政府系投資ファンド創設などの独自施策について議論を進めているが、実現には与党の協力が不可欠だ。
 ただ、公明と与党の距離はさらに広がる可能性がある。政府・与党は防衛装備品の輸出を救難や輸送などに限る「5類型」を春にも撤廃する方向。「平和の党」を掲げる公明は高市政権の右傾化に「深い議論なく変えようとしている。危惧を抱かざるを得ない」(斉藤代表)と反発する。連立離脱の原因となった自民の「政治とカネ」を巡る問題も未決着のままだ。
 公明は立民との共闘にも慎重な姿勢を崩していない。次期衆院選をにらみ、立民は公明に接近を試みるが、自公政権時代は敵対してきた相手だけに「一緒になるのは現場(地方組織など)が追い付かない」(党幹部)との懸念がある。
 斉藤氏は2日、東京都内で年頭の街頭選説を行い、「中道政治をつくっていく。その年にしたい」と強調した。23日召集の通常国会では野党色を強めるのか、バランスを維持するのか。模索を続ける見通しだ。 
〔写真説明〕記者団の取材に応じる公明党の斉藤鉄夫代表=2025年12月17日、国会内