【パリ時事】AFP通信は28日、フランスを代表する俳優の一人で、動物愛護運動家のブリジット・バルドーさんが死去したと伝えた。91歳だった。「女性の解放と性の自由」(仏メディア)の象徴的存在とみなされた半面、極右政党を支持し、過激発言で物議を醸した。
1934年、パリ生まれ。10代半ばで雑誌モデルとなり、18歳の時にコメディー「素晴らしき遺産」(52年)で銀幕デビュー。「素直な悪女」(56年)で主人公の奔放な女性役を演じ、一躍世界的スターとなった。
「私生活」(62年)ではイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニと共演。ジャンリュック・ゴダール監督の名作「軽蔑」(63年)、ルイ・マル監督の娯楽作「ビバ!マリア」(65年)などで好演した。歌手としても活躍した。
73年に映画界を引退すると、動物愛護に傾注。自らの名を冠したNGOを86年に設立し、国際的な運動を展開した。捕鯨にも反対し、2024年には日本を「ギャングの国」と非難した。
私生活では、18歳でロジェ・バディム監督と結婚後、離婚・再婚を繰り返した。92年、極右・国民戦線(現・国民連合)関係者と4度目の結婚。同党への賛同を公言し、移民に対する人種差別発言などでたびたび有罪判決を受けた。
〔写真説明〕仏俳優ブリジット・バルドーさん=1972年8月、ストックホルム(AFP時事)