ジェットスター「約8年4か月ぶり新規国際線」強みは? 行き先は“潜在力MAX観光都市” 乗ったら「もう他社便では行けません…」

LCCのジェットスター・ジャパンが、8年4か月ぶりとなる新たな国際航空路線「成田~高雄線」を就航させました。他社も参入する同路線ですが、同社便には“強み”が存在します。今回、それを実際に体験してきました。

週7往復

 2025年12月18日、LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンが、8年4か月ぶりとなる新たな国際航空路線「成田~高雄線」を就航させました。高雄は台湾南部に位置する都市で、同社にとっては初就航となります。また、成田と高雄を直行便で結ぶ国内航空会社は、現時点ではジェットスター・ジャパンのみ。加えて同社便では、他社便にはない強みもあるのが特徴です。今回、この路線を実際に往復で利用してみました。

 成田~高雄線は週7往復で運航され、使用機材は180席が標準仕様となる「エアバスA320」です。フライト時間は成田発がおよそ4時間30分、高雄発が約3時間30分となっています。A320は同社の就航当初から主力として使用されてきた機材で、客室はLCCらしくシンプルな構成です。各座席に充電用の電源や個人用モニターは設置されていません。

 就航地である高雄は、人口約270万人を擁する台湾南部の港湾都市です。歴史的建造物と現代的な街並みが共存する都市景観に加え、多様な観光資源を持つことが特徴で、台湾の人々が「最も訪れたい都市」として2年連続で選出されたこともあり、近年は旅行者の注目を集めつつある都市のひとつといえます。

 成田発は午前9時25分、高雄発は14時出発です。日本からは朝に出発し、現地には昼過ぎ(時刻表上は13時)に到着するため、その日の午後から観光を始めることができます。帰国時も、朝に慌てて空港へ向かう必要がなく、ブランチに台湾グルメを楽しんだあと、昼前後に空港へ向かう行程を組むことができます。

乗ってわかった「これ、日本人観光客には最強の移動手段だわ…」

 12月18日の成田発初便となったGK17便の出発前には、就航記念イベントが実施され、同社の阿部貴博会長らが搭乗客に挨拶を行いました。搭乗者数は179人と、ほぼ満席での好調なスタートとなっています。フライトは順調に進み、約4時間の飛行ののち、高雄空港では歓迎の意を込めた放水アーチが行われました。折り返し便の出発時にもイベントが開催され、高雄国際空港の到着ロビーには記念セレモニーの会場が設けられていました。

 なお、高雄国際空港に到着してから入国審査と手荷物受け取りを終えるまでに要した時間は、およそ30分程度でした。13時前後は海外からの到着便が重なる時間帯のため、入国審査がやや混雑する傾向があるようです。一方、翌日の高雄発GK18便では、出国審査に電子ゲートが導入されており、非常にスムーズに通過することができました。

 ジェットスター・ジャパンの阿部貴博会長は、この路線について次のように話します。

「円安の影響で日本人のお客様が海外に渡航しにくい状況はありますが、台湾は距離が近く、時差もありません。今回就航した高雄は、まさに今、発展を遂げている都市です。この路線は、私個人としても、会社としても非常に魅力のある路線だと考えています。将来、『この路線はどうなりましたか』と聞かれた際に、『皆様のおかげで最も良い路線になりました』と報告できると確信しています」

 なお、成田発高雄行きの便のなかで、ジェットスター・ジャパン便は最も早い時間帯に成田空港を出発します。一方、高雄発成田行きについても、早朝出発の便が大多数。同社便は成田行きのなかで、最も遅い時間帯に設定されています。

 もし高雄に夕刻以降に到着する便であれば、到着日はほとんど観光ができません。また、早朝に高雄を出発する便では、最終日に現地を観光する余裕がほぼありません。その点を踏まえると、ジェットスター・ジャパンの成田~高雄線は、日本人旅行者にとって非常に使いやすいダイヤが組まれている路線だといえるでしょう。

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