宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日午前10時51分、測位衛星「みちびき5号」を搭載したH3ロケット8号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げたが、約25分後に第2段エンジンの燃焼が予定より早く終了した。文部科学省によると、衛星を予定の軌道に投入できず、打ち上げは失敗した。JAXAは午後2時半から記者会見する。
H3の失敗は2023年3月の初号機以来2回目。主力ロケットの失敗は、日本の宇宙開発に大きな影響を及ぼしそうだ。
H3・8号機は17日に打ち上げ予定だったが、発射台などを熱や振動から守る冷却水の弁に設定ミスがあり、流量不足で発射約17秒前に作業を緊急停止していた。
「みちびき」は日本版GPS(全地球測位システム)衛星で、10年に初号機が打ち上げられた。政府は米国のGPSなどの補完を必要とせず、みちびきのみで常時測位が可能な7基体制を今年度中に実現する計画で、来年2月に7基目の打ち上げを予定している。