スズキは改良を受けた「ワゴンR」の発売に合わせ、公式YouTubeチャンネルで歴代モデルの開発者たちによる対談動画を公開しました。動画では、歴代全モデルで貫かれてきた“ある部分”へのこだわりについても語られ、ネット上で話題となっています。
“ワゴンR愛”あふれる「こだわりポイント」とは
スズキは2025年12月15日、軽自動車「ワゴンR」のマイナーチェンジを実施。あわせて公式YouTubeチャンネルにて、歴代モデルの開発者たちによる対談動画を公開しました。この動画では、歴代全モデルで貫かれてきた“ある部分”へのこだわりについてもクローズアップされ、ネット上で話題となっています。
動画では1993年発売の初代ワゴンR以来、計6世代の開発を担当したエンジニア陣が集まり、対談を行いました。このなかで、現行型である6代目モデルのチーフエンジニアを務める竹中秀昭氏は、歴代の全車を通じて、“あえて”採用し続けてきた装備があると強調しました。
その装備とは、後席のヒンジ式ドアです。近年、背高タイプの軽自動車では、ヒンジドアよりも乗降性や取り回し性に優れる、スライドドアを備えたモデルが主流となりつつあります。
こうしたなかでも、ワゴンRが後席ヒンジドアを採用し続ける理由について、竹中氏は「開け閉めや乗り降りが素早くできるとか、(ドアの厚みを大きくとれるので)内側に収納ポケットやアームレストなどを設置できる」などの優位性を強調。また、ドアの前側に傘を立てて収納できる「アンブレラホルダー」など、ヒンジドアならではの独自装備もアピールしました。
さらに、同じく現行型の操安(操縦安定性)や乗り心地の開発を担当する関 泰典氏は、「スライドドアは開口面積がどうしても大きくなり、剛性が弱くなってしまうが、ヒンジドアはシンプルな構造で開口面積も小さい」と、走行性におけるメリットも指摘しました。
竹中氏によると、今回の改良モデルではヒンジドアの性能面の長所を活かしつつ、「車体パネルの接合に減衰接着剤を使用し、振動や騒音の低減も実現した」とのこと。「ワゴンRは“高品質な定番”としてアップデートし続けることが大事。これからも進化し続けなければならない」と意気込みました。
ネット上では、“ヒンジドア推し”の姿勢を貫くワゴンRの開発陣に、さまざまな反響が集まっています。「拘りがヒシヒシと伝わってくる」「なんでもスライドドアがいいわけじゃないよね」「スズキのワゴンRへの愛が、本気さが伝わってきてなんか嬉しい!」など、ファンの反応はおおむね好意的な模様です。
またワゴンRシリーズには、後席スライドドアを両側に備えた兄弟車「スマイル」も存在します。この点についても、「ヒンジドアの軽自動車の選択肢が少なくなったからこそ、そこがアピールポイントになってるんだろうな」「スライド派はスマイルへどうぞ!」などの投稿が寄せられており、ヒンジドアはむしろワゴンRの個性だと捉えている人々も多いようです。
【動画で!】新型ワゴンR開発者「ヒンジドア愛」を語る!(5:35頃~)