20歳の“来季ルーキー”はQTで兄妹タッグ テスト合格前からキャディをお願い「頼りっぱなしです」

<JLPGAファイナルQT 3日目◇4日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>

1カ月前にプロテストに合格したばかりの“来季ルーキー”がビッグスコアをたたき出した。20歳の倉林紅(くらばやし・こう)が「66」で回り、トータル9アンダー・3位タイに急浮上した。

「70」、「71」とアンダースコアを並べて迎えた3日目。「きのうまでは波のあるゴルフ。ショットの調子が良くなくて大きいミスがたくさんあった。きょうはほぼほぼ、100点に近いゴルフができた」と満面の笑顔を浮かべる。1番パー5は得意な100ヤードに刻んで、3メートルに絡めるバーディ発進。4つのパー5すべてでバーディを奪うなど要所で伸ばし、ボギーフリーで駆け抜けた。

来季の出場権をかけた大事な戦いで、“ある人”にキャディをお願いした。同じく東北高から東北福祉大に進学した、4歳年上の兄・太聖さん。今大会の会場である宍戸ヒルズカントリークラブの“現役研修生”。3度目の受験だったプロテストに合格する前から、スケジュールを空けてもらっていた。そしてプロテストに合格し、ファーストQT(A地区)は10位で通過。ファイナルの地にたどり着いた。

「今年はプロテストに絶対通るっていう強い自信があった。テストの前から(ファイナルQT会場が)ここだと分かっていたので、お願いしていました。頼りっぱなしです。マネジメントだけじゃなくて、攻める上でのアドバイスや気持ちの面でもいろいろ聞いてくれてサポートしてくれているのが大きいです」

2オンを狙おうと背中を押してくれたり、グリーン上ではライン読みの意見が合ってすんなりと打つことができている。今年の「オーガスタナショナル女子アマ」などすでに4、5試合ほどバッグを預けていて、「自分の判断を優先してミスすることが多いので、ゴルフの時は兄の考えを第一にやるようにしています」と、妹は信頼を置く。

前半戦のフル出場権が見込めるボーダーライン(35位付近)に大幅なリードを持って最終日へ。「QTとは思わず、普通のひとつの試合だと思って。トップを目指して最後まで攻めて、あしたも頑張りたいです」と意気込んだ。(文・笠井あかり)

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