トニー・アンデルソン「後悔はない。全て出し切った結果」 自身初の海外移籍、徳島に感謝「全てが本当に良かった」

 J1昇格最後の一枠を巡り、ジェフユナイテッド千葉と徳島ヴォルティスの一戦は熾烈を極めた。レギュレーションにより勝利が絶対条件だった徳島は、後半の立ち上がりから一気呵成に千葉ゴールへ迫ったが、ネットを揺らすことはできず。69分に失点を喫し、0-1で千葉に敗れた。

 最前線でフル出場したトニーアンデルソンは「ここまで全員で戦ってきましたし、徳島のサポーターも遠いところまで足を運んでくれました。サポーターの期待に応えられず、恩返しができず悔しい」と吐露。「拮抗した試合でしたが、一つの隙で失点をしてしまい、こういった結果になったと思います」と振り返った。自身は後半2度ビッグチャンスを迎えたが、いずれも決められず。「あそこでもちろん決めたかった」と話す一方、「その後悔があるかと聞かれれば全くないです。自分が持ってるもの全て出し切った結果」と言い切った。

 初の海外挑戦となった今季はJ2リーグ25試合3得点5アシストを記録。中盤戦までは主に“パワープレーヤー”として途中出場から流れを変える役割を担ったが、最終盤でレギュラーに定着。卓越したテクニックで周囲を生かし、守備でもハードワークを続けた。J1昇格プレーオフ準決勝では、値千金のゴールもマーク。J1昇格こそ叶わなかったが、徳島を4位まで引き上げる原動力になったことは間違いない。それでもトニー・アンデルソンは「僕が入ったからといって、何かが劇的に変わったとは思っていません」と謙虚に語り「全てはチームのおかげ。みんなで戦いました」と今季を総括した。

「本当にたくさんのことを学べた1年間でした。一番に伝えたいのは感謝です。チームメイトたち、徳島というクラブ、街の皆さんが自分を暖かく迎え入れてくれたこと。スムーズに日本に溶け込むことができました。全てが本当に良かったです」

 再びJ1昇格を目指す来季に向けては「本当にまだ何も分からない状態」と言及。「そこに関しては代理人に任せ、ブラジルに帰ってリフレッシュしたいと思います」と述べ、会場を後にした。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

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