SNSで「人工」とデマ=偽動画も、国「拡散しないで」―震度6強の青森地震

 青森県で震度6強を観測した地震を巡り、X(旧ツイッター)などのSNSで、「人工地震」と主張する投稿や、生成AI(人工知能)が作り出したとみられる偽動画が拡散している。昨年1月の能登半島地震など、過去の災害時もSNS上のデマが社会問題となっており、気象庁と内閣府は「混乱を避けるため、拡散は絶対に行わないで」と呼び掛けている。
 Xでは、8日深夜に地震が起きた直後から「人工地震来た」「政府の陰謀を知ってしまった。拡散お願いします」などの投稿が出回った。
 短文投稿アプリ「スレッズ」では、地震発生前に投稿されていた「8日に地震の可能性」といった根拠のない予測に注目が集まり、「すごい能力だ」との反応が散見された。気象庁などは「何月何日に巨大地震が発生するといった地震の予知を政府が発表することはない」と強調する。
 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」では、過去に撮影されたと思われる津波映像の撮影日を8日と偽った動画や、生成AIで作成したとみられるニュース動画などがあった。偽のニュース動画は「震源は東京湾北部」「宮城県に過去最大級の津波」とうそを伝えた。ティックトックは、災害に関する動画を見る際は、信頼できる情報源で確認するよう注意を呼び掛けている。
 災害時にSNSでデマが広がるケースは多い。能登半島地震では被災者を装った救助要請があったほか、2016年の熊本地震では「動物園からライオンが放たれた」とする投稿が拡散された。