深夜の大揺れ、不安続く=避難住民「津波警報解除待った」―青森など

 震度6強の揺れが8日深夜に観測された青森県八戸市などでは、住民らが不安な一夜を過ごした。避難した人たちは9日朝、「東日本大震災の経験もあり、津波警報の解除を待った」などと疲れた様子で話した。
 総務省消防庁によると、今回の地震では9日未明、北海道や青森など5道県で最大約11万4000人に避難指示が出された。八戸市立北稜中の体育館には住民ら約280人が避難し、校庭でも約250人が車内で一夜を過ごした。
 梅村光江校長は「この辺りは海に近く、東日本大震災の経験もある。みんな心配そうに津波警報の解除を待っていた」と話した。梅村さんは地震発生当時は自宅の風呂場にいて揺れを感じたといい、「髪を洗っていたが、立っていられなかった。浴槽の湯はじゃぽん、じゃぽんとこぼれた」と振り返った。
 八戸市に隣接する岩手県軽米町では震度5強の揺れを観測した。同町にある大清水旅館の大清水彩子さん(56)は、「東日本大震災よりも揺れが強かった」と語る。海外からの宿泊客が1人いたため、客の部屋に行き、揺れが収まるのを待って過ごしたという。
 地震発生時は自宅で就寝中だったという小売業の男性(67)=同町=は、家族に起こされ目を覚ますと何か物が落ちる音が聞こえた。「今までにないくらいの大きな横揺れが3分くらい続いた」。掛け時計が落ち、仏壇の線香立てや花瓶が倒れた。勤務する店では、酒瓶が3、4本割れるなどし、掃除に追われた。