厚生労働省は8日、医療費が高額になった場合に患者負担を月ごとに抑える「高額療養費制度」の見直し案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会に示した。長期の治療を続ける患者に配慮し、自己負担に新たに年間上限額を設ける。月の上限額を直近12カ月で3回超えた場合に4回目から上限額を引き下げる「多数回該当」は、現行水準を維持する方針だ。
政府は、来年度予算編成過程で具体的な額を詰める。来夏以降の実施を視野に入れている。
多数回該当は月の上限額に4回以上達しないと要件を満たさないため、長期治療の患者には恩恵を受けられない人もいる。そこで年間上限額を設けて負担軽減を図る。月の上限に年1回でも届けば、年間上限額の対象者とする案を示した。