天皇杯制した町田、J1の2年目は6位フィニッシュ 黒田監督「まだまだ発展途上」

 FC町田ゼルビアは6日に行われた明治安田J1リーグ最終節で柏レイソルとアウェーで対戦。0-1で敗れ、6位で2025シーズンを終えた。

 試合後、町田の黒田剛監督は、特に後半の戦い方が「かなりパーフェクト」と称えつつ、「チャンスもありましたが、そこで取れるかどうか。最終的には個のクオリティも関わってきますので、来季への課題ということで、強化をさらに進めていく、個人で成長を遂げるしかないと思います」と、フィニッシュワークを具体例として挙げつつ、来季への課題に言及。「良くも悪くもいろいろあった1年間でした。当初の目標であった5位以内から一つ順位は足りませんでしたが、けが人も多く出たシーズンの中で選手は頑張ってくれた1年でした」とリーグ戦を総括した。

 黒田監督は町田を率いて3年目。初年度にJ2優勝を果たして、2024シーズンはJ1初挑戦で3位。今季は天皇杯を制して主要タイトルをもたらした。今季の戦いについては「多くのけがの離脱があり、自分の本意ではないポジションかもしれないながらも、埋めながらよく奮闘してくれたと思います」と選手を労いつつ、「来季、強いて言えば、けがのしない体作りをもっとやっていかないとならないと思います。優勝を争うようなチームは離脱者がほぼいないようにずっと推移していくような選手層、タフさも兼ね備えていると思います」と、シーズンを通じての選手層の維持が重要とし、「あとは攻撃的なところのスキル、最後決めきるところはもう一つ段階を上げていかなければ、上位で居続けることは難しいので、そこはクラブに持ち帰り、相談しながら立て直していきたいと思います」と、オフシーズンの方向性を示している。

 さらに、安定的に優勝争いをするクラブになるために、「大切なのはサッカーだけでなく、組織作りというところ。土台をしっかり踏み固めないと脆い組織になってしまう」とし、クラブ、グループとしての強固な基盤、組織をしっかりと作ることが重要であると続け、「我々もまだまだ発展途上だと思っています。私も3年目がもうすぐ終わりますが、一つずつ段階、テーマを決めながら取り組んでシーズンを消化しているというところもあります。また来年は違うテーマをさらに足しながら、選手たちとともに取り組んでいくシーズンにしていきたいと思います。特別大会もありますので、いろいろなことにチャレンジできるので、選手たちとよく話をしながら、もっと強化しないといけないところも含め、みんなで協議しながら良いチームを作っていければと思います」と、来季以降の成長の指針を、クラブ全体で見定めながら進めていきたいと話している。

 国内のシーズンは終わったが、中2日でAFCチャンピオンズリーグエリートの蔚山HDを控えており、この試合が年内最後の試合となる。黒田監督は「ここで気を抜くわけにはいかない」と引き締め、「最後、ホームでファン・サポーターに笑顔を届けるため、コンディション的には難しいタイミングですが、ホームで勝って、来季に良い状況で入っていけるように勝利で終えて、選手に労いの言葉をかけたいと思います」と、年来ラストゲームへとすでに視線を向けている。

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