明治安田J1リーグの最終節が6日に行われ、本拠地・埼玉スタジアム2002に川崎フロンターレを迎えた浦和レッズは4−0で快勝。良い時期も悪い時期もあった波乱のシーズンを7位で締めくくった。
この試合で攻守にわたり圧巻の存在感を放った選手のひとりが、流通経済大学から今季加入したDF根本健太だ。今シーズン限りでチームを去るDFマリウス・ホイブラーテンとセンターバックでコンビを組み、左足からの正確なパスで攻撃の起点になると、1点リードで迎えた58分にはMF渡邊凌磨の左CKに頭で合わせ、待望のJ1初ゴールを記録。偉大な“リーダー”がチームを去るこの日に、その後継者として名乗りを上げるに相応しい活躍を見せた。
試合後、自身のプレーを冷静に振り返った根本は、攻撃の組み立てについて、「空いてるところに当てるというか、浦和レッズの選手はレベルが高いので、預ければ何とかしてくれる選手たちばかり。簡単に預けることを意識していました」と語ったが、その判断力・決断力と技術力の高さが窺い知れるパフォーマンスだった。その左足から繰り出されるパスは、球足が早く、相手のプレスよりも一足早く前線の選手へと供給され、チームのリズムを効果的に作り出す。そして、J1初ゴールとなったヘディングシュートは「練習通り」だったと述べ、「凌磨くんのボールがすごい良かったので、それをもうそのまま」と、はにかみながらも確かな手応えを口にした。
この日、最終ラインでコンビを組んだのは、同学年のDF藤原優大。練習から共にプレーする機会も多く、「サッカーのことも、それ以外でも結構会話とかコミュニケーションをとるので、何も心配なくやれたかなと思います」と、浦和の次代を担う相棒との連携にも自信をのぞかせる。ディフェンスリーダーとしての自覚についても、「センターバックの相方が誰であろうと、これからもリーダーシップをとってやっていかないといけない。それは来年意識してやっていきたい」と力強くコメント。苦しい時間帯でもポジティブな声を出し続けることの重要性も、十分に理解している。
共に最終ラインを支え、多くのことを学んだホイブラーテンは、この試合を最後に浦和を去る。根本は「一緒にプレーして、学べるところもたくさんあった。今年の経験を無駄にせず、来年にしっかり繋げていきたい」と、感謝と決意を語った。そのホイブラーテンも「もちろん若い選手たちなので進化がまだまだ必要だし、していくと思う。日々プロフェッショナルとして努力をしているので、何も心配はない。来シーズン、成長し続けてパフォーマンスもどんどん向上していくと思う」と述べ、根本ら若い選手たちの未来に大きな期待を寄せている。偉大なDFが残した信頼と期待は、次代を担う者たちにとって何よりの力となるだろう。
ルーキーイヤーから主力の座を狙いながらも、その難しさを痛感した今季。しかし、シーズンの最後に掴んだ確かな手応えは、来季への大きな原動力となるはずだ。「来年は、またガラッと変わると思いますし、ここで自分がチャンスを掴めるか掴めないかだと思うので、今年以上に強い気持ちでやっていきたいと思います」。浦和の未来を担う大型センターバックへ。根本の挑戦は、もう始まっている。
【動画】浦和の未来が決めたドンピシャのJ1初ゴール!