3大会連続POのイタリア…現地紙「W杯に行くのは、ラウンド16まで進むよりも難しい」

 FIFAワールドカップ26の組み合わせ抽選が現地時間5日に行われた。その結果を受けて、まだ本戦出場を決められていないイタリア代表の未来について、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が展望した。

 ノルウェー代表に屈して欧州予選グループIを2位で終えた“アッズーリ”は、3大会連続での欧州予選プレーオフ進出が決定。過去2回でW杯本戦出場を逃しているなか、来年3月に行われるプレーオフでは、初戦で北アイルランド代表と、決勝で「ウェールズ代表vsボスニア・ヘルツェゴビナ代表の勝者」と対戦することが決まっている。

 出場48カ国が出揃う前に本大会の組み合わせが決定し、イタリア代表が勝ち上がった場合はグループBに入ることが決定。開催国のカナダ代表(2大会連続3回目)、カタール代表(2大会連続2回目)、スイス代表(6大会連続13回目)と対戦することになる。さらに勝ち上がった場合、首位ならグループE/F/G/I/Jの3位チーム、2位ならグループAの2位、3位ならグループD/Eの首位と対戦することになる。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のステファノ・アグレスティ記者は抽選結果を受けて、「ワールドカップに行くことの方が、出場権を獲得してグループステージを勝ち抜き、決勝トーナメントのラウンド16まで勝ち進むことよりも難しいだろう。もしかするとさらに上を目指すことも可能かもしれない。なぜなら抽選結果は我々に有利に働いたからだ」と、本戦での対戦相手には比較的恵まれたと指摘した。

「カナダは開催国ながら決して無敵ではない。スイスはW杯とEUROで我々を敗退させたが、依然として手の届く相手だ。そして小さなカタール」

「それだけではない。決勝トーナメント初戦の相手もおそらく対応可能だ。グループ首位なら他グループの3位チームと対戦し、2位ならメキシコ、韓国、南アフリカ、そして欧州プレーオフ勝者で構成されるグループAの2位チームと対戦する。要するに、3月のプレーオフ終了時点でアッズーリにはわずかながら下り坂が待っている。問題は、北アイルランド、ウェールズ、ボスニアに足をすくわれることなくその坂を下ることだ」

 一方で同記者は、W杯に進出した場合の対戦国がすでに決まったことは、イタリア代表の心の隙に慢心を生むことになるかもしれないとも危惧している。

「ワールドカップの辞書に既に刻まれた42カ国の中にイタリアの名を見出せなかったのは、物悲しいことだった。まさにこうした感情から逃れるため、我々の代表団は自国に留まった。(ガブリエレ・)グラヴィーナFIGC会長も(ジェンナーロ・)ガットゥーゾ監督もワシントンには赴かず、それは迷信からではなく、理解できる謙虚さゆえであった。今、皆の意識がアメリカに向かっているわけにはいかない。北アイルランドとの準決勝を戦うベルガモに集中し続けねばならない。その間、決勝で対戦する可能性のあるウェールズとボスニアを分析している」

「カナダ、スイス、カタールについては、すべてが順調に進めば3月31日の夜に考えることになる。我々のグループが比較的楽な相手ばかりである事実は、決して無関係ではない。なぜなら我々のような、フィジカルよりも精神面で弱いチームは自信を得てしまうかもしれないからだ。さあ、この2つの早春の試合を早く終わらせてしまおう。そうすれば、それから楽しみが始まるのだ」

 取らぬ狸の皮算用とならぬよう、まずは3月の欧州予選POに全力を注ぐのみだ。

●北中米W杯組み合わせが決定! 日本はオランダ、チュニジア、欧州プレーオフBの勝者と対戦●W杯グループFの展望…首位突破予想のオランダにとって日本代表は厄介な存在?●“再戦決定”日本代表の印象は? オランダ代表指揮官「常にコンディションが良い実力のある国」●森保一監督、欧州2カ国との対戦決定も“信念”強調「優勝を目指して戦う目標を共有できている」●オーストリアらと同組…W杯防衛へアルゼンチン指揮官「簡単な相手はいない。すべての試合を戦うだけ」