首都圏強盗の指示役か、初摘発=千葉・市川の事件で男4人逮捕―トクリュウ、実態解明へ・4都県警合同捜査本部

 首都圏で相次いだ強盗事件を巡り、昨年10月に千葉県市川市で女性が暴行を受け現金などを奪われた事件を指示したとして、警視庁など4都県警の合同捜査本部は5日までに、強盗傷害と住居侵入の容疑で、住所職業不詳の福地紘人容疑者(26)ら男4人を逮捕した。
 捜査本部は一連の事件で50人以上の実行役らを逮捕したが、指示役の摘発は初めて。4人が匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)を組織し、昨年10月に横浜市で発生した強盗致死事件など複数の事件に関与したとみて実態解明を進める。
 ほかに逮捕されたのは、いずれも職業不詳の斉藤拓哉(26)=住所不詳、村上迦楼羅(27)=同、渡辺翔太(26)=仙台市青葉区=各容疑者。
 逮捕容疑は昨年10月17日未明、市川市柏井町の住宅で、住人女性(51)を殴る蹴るなどして右肋骨(ろっこつ)多発骨折など2カ月の重傷を負わせ、現金のほかキャッシュカードや軽乗用車など計15点を奪った疑い。
 女性は粘着テープで縛られ、埼玉県内のホテルに約14時間監禁された。
 この事件では、実行役の20代の男3人が強盗致傷罪などで、強奪品回収役の女(31)が盗品等運搬罪などで起訴され、一部は実刑判決が出ている。
 捜査関係者によると、福地容疑者ら4人はSNSで実行役らを募集。秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で、女性宅の住所や襲撃方法などを指示していた。「パトリック」や「ファルコン」、「PTA」など9個のアカウント名を使い分けていたという。強奪金などは複数の回収役を介して同容疑者らの元に渡ったことも確認された。
 4人の一部は指定暴力団住吉会や準暴力団「打越スペクター」と関わりがあるとされるが、組織とは別に「同年代」という共通点で結び付いたとみられるという。