対米自立と中国への同調訴え=習主席、フランス大統領と会談―台湾念頭に日本けん制も

 【北京時事】中国の習近平国家主席とフランスのマクロン大統領が4日、北京で会談し、経済協力の強化や「多国間主義」の堅持で一致した。習氏は、各国への通商圧力を続けるトランプ米政権を念頭に、中仏は「外部環境」に左右されない「独立自主」路線を歩まなければならないと指摘。「歴史の正しい側に立つべきだ」とも語り、中国への同調を促しつつ、台湾情勢を巡り関係が悪化している日本を暗にけん制した。
 両国の発表によると、習氏は「責任ある大国」である中仏が足並みをそろえることの重要性を強調。高市早苗首相の台湾有事に関する発言を念頭に「中仏は互いの核心的利益を理解し、支持し合うべきだ」と主張した。フランスからの輸入拡大を約束したほか、原子力や人工知能(AI)、新エネルギー分野での連携深化に意欲を示した。
 マクロン氏は、国際情勢の不確実性が高まる中で「中国との対話はこれまで以上に不可欠だ。両国は違いを乗り越え、力を合わせなければならない」と応じた。対中貿易赤字の是正を強く訴えるとともに、ロシアが侵攻するウクライナでの戦闘終結へ向けた協力を求めた。
 マクロン氏はまた、フランスが来年議長国を務める先進7カ国(G7)と中国との連携を通じ、貿易不均衡などの問題に対処していきたい考えを示した。台湾問題については、台湾を自国の一部とする中国の立場に異を唱えない「一つの中国」政策を堅持すると述べるにとどめた。 
〔写真説明〕4日、北京で中国の習近平国家主席(左)に迎えられ、歓迎式典に臨むフランスのマクロン大統領(AFP時事)

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)