冬用タイヤを本格的に使用するシーズンには、「自分でタイヤを交換しよう!」と考える人も多いでしょう。実際の作業に必要なアイテムや注意すべきポイントには、どのようなものがあるのでしょうか。
タイヤ交換に挑戦! 初心者の“必須アイテム”
2025年も12月に入り、スタッドレスなど冬用タイヤを本格的に使用するシーズンとなりました。「自分でタイヤを交換しよう!」と考える人も多いかと思いますが、実際に必要なアイテムや作業時の注意点には、どのようなものがあるのでしょうか。
まず大前提ですが、タイヤはドライバー自身にとってだけでなく、道路を走る他車の安全にも関わる重要な部品です。適切な手順や道具で交換・装着していない場合、脱輪などの重大事故につながりますので、充分な注意と準備が必要です。
自らタイヤを交換する際はまず、できるだけ平坦で舗装された地面やコンクリートの上を作業場所に選びましょう。柔らかい地面、すなわち砂利や土の上で作業するのは危険です。
また、ホイールナットがスタッドレスタイヤ用のホイールに対応しているか、事前にチェックしておくのも必須作業です。使用できるナットは、ホイールの形状や規格によって異なります。対応していないナットの使用は、事故の原因となるのでやめましょう。交換するスタッドレスタイヤ自体も、有効な溝の残量があるか、古くなっていないかチェックが必要となります。
次は、作業に必要な工具やアイテムについてです。作業にあたり、用意しておきたいアイテムには以下のような物が挙げられます。
●必ず必要なもの
・ジャッキ(パンタグラフ式より、フロアジャッキなどが望ましい)
・トルクレンチ(使用するナットに対応するサイズの物)
・ホイールレンチ(同上)
・輪留め
特に、ホイールナットの締め付け力(トルク)を適正に管理するトルクレンチは、自力でタイヤを交換するならば必ず使ってほしい道具です。トルクは、緩くても締めすぎてもタイヤが外れてしまう原因となります。普段からタイヤ交換を行っているわけではないユーザーだからこそ、誤ったトルクでナットを締めないよう、トルクレンチを使用しましょう。
また、これ以外にもジャッキアップ時にクルマを支える「リジッドラック(通称:ウマ)」が用意できるとベストです。
実際の作業で注意するべきポイントは?
では、タイヤ交換の作業手順を簡単に紹介します。はじめに、しっかりとパーキングブレーキをかけ、ギアをパーキング(MT車の場合は1速かバック)に入れてクルマを停めます。次に、ジャッキアップしても動かないようクルマに輪留めをかけます。
輪止めを設置したらジャッキをクルマにかけますが、この時ジャッキは「ジャッキアップポイント」など、車体を持ち上げることができる部分にかけましょう。それ以外の部分にかけると、車体の重さでクルマを壊してしまう可能性があります。ジャッキアップポイントは、クルマの取扱説明書にも記載されているので、場所をチェックしておきましょう。
ジャッキをかけたら、クルマを持ち上げる前に、レンチでナットを少しだけ緩めてからジャッキアップを行います。タイヤを交換できる高さまで車体が持ち上がったら、リジッドラックをかけます。ジャッキだけでクルマを支えていると、ジャッキが外れてクルマが落ちた場合に挟まれる危険があります。リジットラックを使うのが好ましいですが、用意できない場合は代わりの保険として、車体の下に交換するスタッドレスタイヤ・ホイールを置いておきましょう。
その後はレンチでナットを緩め、タイヤを外します。取り外したタイヤは安全確保のため、スタッドレスと入れ替えて車体の下側へ置きます。タイヤを車体へ取り付ける際は、ホイールナットをはめる前に内側へ息を吹きかけるなどして、異物を嚙みこまないようにします。ナットは地面に近い位置から、対角線の順に締めましょう。
そして、車体下のリジッドラックやタイヤを取り除き、ジャッキをゆっくり下ろしてクルマを着地させます。最後にトルクレンチで、ナットを規定トルクで締めて完了です。
交換「前」のチェックも忘れずに
それから、外したタイヤの保管方法も気を付けておきたいポイントです。ホイールをつけたまま保管する人がほとんどだと思いますが、その場合、タイヤが自重で変形しないよう平積みにし、可能な限り日光や雨に当たらない場所で保管しましょう。タイヤはゴム製品なので、保管環境によって劣化の進行度合いが異なってくるのです。
タイヤ交換は、自分でできる整備の“初めの一歩”とされることも多いですが、場所や工具の用意などは、金額的な面も含めてハードルが高いこともあります。夏タイヤとスタッドレスタイヤの交換で、年に2回くらいしか作業しない人ならば、むしろ自分でやって経費削減を考えるより、ディーラーや整備工場、カー用品店などに任せるのが、費用面でも安全面でもおススメです。
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