■これまでのあらすじ
母の呪縛から自立し、彼とともに渡米した凛。その頃、孤独を抱える母のもとを伯母が訪ね、「なぜ娘に無関心なのか」と問いかける。伯母は自身の経験から、「親の言葉が人生を縛ることがある」と告げた。伯母の帰宅後、凜との写真を開いた母は、無邪気な笑顔さえ忘れていた自分に打ちのめされる。凜が祖母の病気で留学を諦めたこと、海外を夢見ていたこと――何ひとつ覚えていなかった事実に気づき、「母親なのに」と深い後悔に沈む。娘に見放されたまま生きるのかという虚無に襲われ、途方に暮れる中、散らばる思い出の写真が静かに母の心を揺らし始めるのだった。
母の呪縛から自立し、彼とともに渡米した凛。その頃、孤独を抱える母のもとを伯母が訪ね、「なぜ娘に無関心なのか」と問いかける。伯母は自身の経験から、「親の言葉が人生を縛ることがある」と告げた。伯母の帰宅後、凜との写真を開いた母は、無邪気な笑顔さえ忘れていた自分に打ちのめされる。凜が祖母の病気で留学を諦めたこと、海外を夢見ていたこと――何ひとつ覚えていなかった事実に気づき、「母親なのに」と深い後悔に沈む。娘に見放されたまま生きるのかという虚無に襲われ、途方に暮れる中、散らばる思い出の写真が静かに母の心を揺らし始めるのだった。
■覚えていないなら思い出せばいい…！
■ただの自己満足で終わるかもしれないけれど…
■今できることをやる！姉の言葉が胸に響き渡る
無造作にしまわれていた数々の写真――この家には、忘れていただけで、こんなにも凜との思い出が詰まっていたのだと母は気づきます。
覚えていないのなら、もう一度思い出さなくてはいけない。
そう思い立った母は、写真を整理するためにアルバムを買いに行こうと動き出します。
しかしその背中を、長年母を縛ってきた“劣等感の声”が引き止めました。「今さらそんなことをして意味があるの？」と。
けれど母は、もうその声に従わないと決めました。自分の中の暗い感情から一歩踏み出し、「人は変われる」と語った伯母の言葉を信じて前へ進むことを選んだのです。
胸の奥に小さな希望が灯り、母の表情には確かな明るさが宿り始めていました。母もまた、ゆっくりと変わろうとしているのです。
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