高市早苗首相は2日、東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)を視察した。2011年3月の東日本大震災に伴う同原発事故から来年で15年の節目を迎えることを踏まえ、廃炉に向けた作業の進捗(しんちょく)状況などについて説明を受けた。
首相の福島訪問は10月の就任後初めて。被災地復興を重視する政権の姿勢を示す狙いがある。
首相は、原発事故の除染で発生した「除去土壌」を保管する中間貯蔵施設も視察。政府は45年3月までに除去土壌を福島県外で最終処分する方針を決定しており、首相は全国的な復興再生利用の拡大に意欲を示した。
この後、首相は双葉町の帰還困難区域を訪問。同町の伊沢史朗町長から、樹木が繁茂した荒廃農地にクマやイノシシが出没して安全面での新たな課題になっていることや、農業再開のために不可欠なため池の除染が全く進んでいないことなどについて要請を受けた。

