買春行為に罰則を=日本で今年4人被害―マッサージ店で売春―タイ支援団体

 【バンコク時事】東京都文京区の個室マッサージ店で、タイ国籍の12歳の少女が性的サービスを強要されていた事件は、母国タイでも大きく報道され社会に衝撃を与えた。性的搾取を受けた女性らを支援する「パウィーナー・ホンサグン子供・女性財団」のパウィーナー代表は、タイ人女性が日本で売春行為を強要された例は珍しくないと指摘。タイと同様に、日本でも罰則対象を「売る側」だけでなく「買う側」にも広げる必要性を訴えた。
 ◇19カ国で104人通報
 パウィーナー氏によると、売春を強要されるのは男女問わず30歳前後が多いが、子供が海外で売春させられたことが確認されたケースは初めて。母親が少女を店に引き渡した疑いが持たれていることに関し、「子供を傷つけ、見捨てる残酷な行為だ」と断じた。
 財団には、今年1~11月に104人がタイから外国に行って売春を強要されたという通報が寄せられた。行き先は19カ国に上り、アラブ首長国連邦43人、ミャンマー12人、ジョージア(グルジア)11人、マレーシアとバーレーン各5人、カンボジア4人と続く。
 日本での被害は12歳の少女以外に3人。そのうち34歳と40歳の女性はそれぞれSNSを通じて、日本でマッサージ師として働くよう誘われた。しかし、日本に入国すると売春するよう命令されたという。拒否したところ、約8万~9万バーツ(約39万~44万円)を要求された。財団が立て替え、2人は要求額を支払い解放された。売春したことへの自責の念もあり、「もう事件に関わりたくない」と、警察への被害届は出していない。
 ◇SNSで求人応募
 他の多くの女性らもフェイスブックに代表されるSNSに掲載された「外国でのマッサージ師」募集の広告に応募して、被害に遭っている。「10カ月で50万バーツ(約240万円)」という長期の好待遇を約束する例もある。
 広告を出すのは各国の風俗業者から依頼を受けたブローカーだ。応募した女性らが現地に着くと、マッサージ師ではなく、売春するよう指示される。拒否しても、業者は「契約違反だ」と主張し、応ぜざるを得ないのが実情だ。
 ◇売春強要被害者を支援
 タイでは1996年に旧売春防止法が廃止され、売春する側だけでなく、買う側にも厳しい罰則を科す新法が制定された。
 タイ警察によると、ブローカーなど売春目的で児童をあっせんした人は、最高で懲役20年または終身刑などに処せられる。15~17歳の未成年に対する買春は、懲役10年などが科せられる。パウィーナー氏は当時、下院議員として制定に大きな役割を果たした。新法では売春に関わった女性らへの支援も盛り込まれた。だまされるなどして売春行為を強要された場合は、被害者として経済的・精神的なサポートを受けることができるようになっている。
 パウィーナー氏は新法の効果について「状況は徐々に改善してきた」と指摘。「日本でも(買春を罰する法改正が)支持されるべきだと確信している」と訴えた。 
〔写真説明〕犯罪被害者の女性らを支援する「パウィーナー・ホンサグン子供・女性財団」のパウィーナー代表=19日、バンコク近郊
〔写真説明〕犯罪被害者の女性らを支援する「パウィーナー・ホンサグン子供・女性財団」の本部=19日、バンコク近郊

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)