レジェンドプロも誤認……「芝生を傷付ける素振り」実は禁止だって知ってる?

良いショットを打つための素振り。確かに有効だが、本番さながらに芝を削ってしまう行為は、NGだと分かっていない人も多いという。そんな素振りにまつわる話を、四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が語る。
「素振りでも、しっかり芝を取ること。本番さながらにやらなければ意味がない。グリーンフィを払っているのだから、当然の権利なのだよ」

その昔、あるイベントで某レジェンドプロゴルファーがジュニアゴルファーへのアドバイスで言ったのです。直後から、ジュニアたちに「芝生を傷付ける素振りはエチケットで禁止されているので、失格になりますのでご注意を。プロはそういう気持ちで、というニュアンスでアドバイスしてくれたのです」と必死になって、修正して回りました。

結果として最もヤバかったのは開催コースで、未来のゴルファーのためだと思って協力しているのに、コースを荒らして良いと指導するようなイベントには二度と協力しないと、憤っていました。後日、正式に謝罪をしましたが、主催者だった僕はかなり長い期間出入り禁止処分となりました。

トーナメントをテレビで観ても分かりますが、トッププロは素振りでターフを削ることはほとんどありません。ツアーによって違いはありますが、素振りでターフを削ることは、エチケットがゴルフ規則の第一章として明文化されている頃から明確に違反行為とされていました。現在でもエチケット違反として警告、それでも違反をする場合は罰金対象となり、最終的には失格になる可能性もあるからです。

ゴルフに詳しい人なら、素振りでコースを傷付けないのは当たり前という認識ですが、実際のコースで観察すると、半数ぐらいの人が悪気なく素振りで芝生を傷付けているように見えます。

わざとではなく、「ミスした結果、芝生をえぐってしまった」と言い訳する人がいますが、練習不足を正当化する論法はコースでは通じません。違反行為になってしまう可能性があるような素振りなら、しなければ良いのです。

僕が高校生のジュニアゴルファーだった頃、有名なアマチュアゴルファーに「素振りをしないと不安だという程度であれば、試合に出るのはまだ早いので、練習場に行きなさい。準備万端、素振りは不要! それが最低限です」と教えられて、カッコ良くてシビれて、それから基本的に素振りをしないゴルフをしています。

そうして観察すると、本当に上手い人はマン振りの素振りはしません。もったいないからです。良いショットが連続する確率を考えれば、マン振りの素振りは無駄な行為とも言えるのです。違反になるような素振りをする人は、練習不足丸出しで、いつまでも初級者気質の傾向があります。

待ち時間での身体をほぐす目的のウォームアップ素振り。動きの確認のためのハーフ素振り。距離感を出すための確認素振り。芝生を傷付けない前提で、カッコ良くて、有効性も高い素振りは確かに存在します。

無意識で下手くそ剥き出しのゴルフをし続ける人の多くは、“違反素振り”の常習者です。自分のプレーを振り返ってチェックをしてみましょう。どん底から脱するきっかけになるかもしれません。

ゴルフは残酷なゲームです。ボールを打てば、嘘で隠そうとしていても全てが露呈します。それだけではなく、打つ前の素振りでも、その人のゴルファーとしての成熟度を剥き出しにしてしまうのです。(文・篠原嗣典)

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」。

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