中学校や高校への入学時にかかる制服代やパソコン代などの費用が増加している実態が27日までに、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京都千代田区)の調査で分かった。平均額は中学で約11.6万円(昨年比約1万円増)、高校は約23.2万円(同約2万円増)で、担当者は「経済的支援の拡充が急務」と訴えている。
調査は8月、NGOの給付金事業を利用する46都道府県の困窮世帯を対象に実施。保護者950人にオンラインでアンケートし、中1の保護者205人、高1の保護者231人の計436人から回答を得た。
中学入学時の費用を聞くと、最も高額だったのは制服代で約6.4万円だった。他には運動着代(約2.1万円)や教科書・教材代(約1.6万円)などの負担が重かった。
高校入学時も制服代が最も高い約8万円で、パソコン・タブレット代(約7.9万円)や教科書・教材代(約3.6万円)が続いた。タブレットなどは学校から機種を指定されたとの訴えが多く、「家電量販店で安く購入したかった」との声が寄せられた。
学校生活にかかる費用全般への要望などを自由記述で尋ねると、「公立中なのに制服が高過ぎる。上靴や体操服も指定され、高い」などの訴えがあった。部活動のユニホーム代や修学旅行費の負担を訴える声も目立った。
NGOの担当者は、国会で議論が進む高校授業料の無償化拡大を踏まえ「授業料の無償化だけでなく、制服やタブレットなどへの負担に対する経済的支援の拡充が必要だ」と話している。
〔写真説明〕アンケート結果を説明する国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の担当者ら=10月30日、東京都千代田区

