終わりよければすべてよし 桑木志帆は今季初Vのラストチャンスで連覇を「ここで勝ちたい」

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇26日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>

桑木志帆が今季未勝利のまま大会連覇がかかる最終戦を迎える。昨季は6月の「資生堂レディス」で初優勝し、リコーカップで初の国内メジャー制覇。通算3勝目を挙げた。有終の美を飾ってから、ちょうど1年。「今年は優勝できていないので、ここで勝てたらいいなぁと思います」。今季初Vのラストチャンス。短い言葉に勝利を渇望する思いがこもった。
一年を通じて安定した成績を残してきた。前週まで30試合に出て、予選落ちは一度だけ。半分の15試合でトップ10に入り、プレーオフで敗れた国内メジャー「ソニー日本女子プロ選手権」など2位は3度ある。メルセデス・ランキングは今季未勝利では最高の8位(米ツアーメンバーの山下美夢有を除く)。勝てない=スランプどころか、絶好調ともいえなくもない。

2003年から舞台を移した宮崎CCは、毎年のように最難関ホールとなる18番パー4など左ドッグレッグのホールが数多くある。昨年は4日間の平均スコアが4.35で最も難しかった15番パー4もしかりだ。“フェーダー殺し”の異名を持つツアーでも屈指の難コースを相手に、フェードが持ち球の桑木は、昨年、初日からの首位を守って完全Vを達成した。しかも、一度も並ばれることのない単独首位でトータル12アンダー。完璧な4日間だった。

「打ちにくいホールはあります。特に18番とか左サイドに木がせり出しているところは、絶対にフェアウェイには行かないとあきらめています。でも、そういう攻め方じゃないと自分を苦しめてしまう。割り切ってやっていました」

昨年のフェアウェイキープ率は46.4%(26/56)で40人中、下から6番目。パーオン率も63.9%(46/72)と高くない。でも、勝った。今年のラフは平均100ミリと例年に比べて長くなり、コースの難易度はさらに増した。それでも、「去年と同じくらいのスコアは必要になると思う。今年もそこを目指して、優勝を狙っていきたい」と連覇に向けて、1日3アンダーを自分に課した。

前日はコースから車で5分ほどの宮崎ブーゲンビリア空港で開かれた前年覇者を出迎える歓迎セレモニーに参加。「思っていた以上に人がたくさんいてくれて、うれしかった」と感激に浸った。来年もこの場所に立ちたい-。パーオン率(73.8135)、パーセーブ率(87.8839)、平均バーディ数(3.7487)など主要スタッツの多くで昨年を上回ったプロ5年目のシーズン。唯一欠けている『優勝』というピースを最後に埋めて、来年もブーゲンビリアのレイを首にかけてもらう。(文・臼杵孝志)

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