PGAツアーのフェデックスフォールシリーズもいよいよ今週で終了。シード権争いが激しさを増す中、ベテランのハリス・イングリッシュ(米国)が「PGAツアーは2027年に大きく変わる。シード権がさらに減り、出場選手も少なくなる」と語り、注目を集めている。
ツアー通算5勝のイングリッシュは、2025年シーズンをフェデックスカップポイント13位で終了。しかし、今週の最終戦「RSMクラシック」にも出場している。
イングリッシュによれば、「PGAツアーの開幕はずっと遅くなる。『スーパーボール』の終了後だ」。つまりシーズン開幕が2月以降になるとの見立てだ。理由の一つは米国で絶大な人気を誇るアメリカンフットボール、NFLの存在で、「どんなにがんばったって『NFL』には勝てない」という。
その背景には、2027年1月に就任する新コミッショナー、ブライアン・ロラップ氏の存在がある。現在はCEOとして活動しており、ジェイ・モナハン現コミッショナーとの移行期間中だ。ロラップ氏は20年以上にわたりNFLのデジタルメディア部門で実績を積んできた。
さらにイングリッシュは、高額賞金で上位選手のみが出場できる「シグネチャーイベント」についても、来季を最後になくなる可能性を示唆する。
「たぶん2027年にすべての試合が平等になる。8つのシグネチャーイベントはなくなり、すべてレギュラー大会になる」という。
「大会数は20~22試合でみな同じ。少なくなるとトップ選手もみな出場する。欠場すれば抜かれてしまうから」だと説明した。
シグネチャーイベントが始まったのは2023年から。2022年に始まったLIVゴルフへの対抗が大きな目的だった。2024年からシーズン開幕がカレンダーイヤーの1月に戻されたばかりで、本当に実現するかは不透明だが、少なくとも「話し合われている」ことは事実。新コミッショナーの就任により、PGAツアーが大きく姿を変える可能性は十分ありそうだ。(文・武川玲子=米国在住)
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