17日、米フロリダ州にあるホテル、ザ・リッツ・カールトンで、米国女子ツアーの『ロレックスLPGAアワード』が開催された。ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)に輝いた山下美夢有も出席し、壇上で表彰。そして英語でのスピーチを堂々と披露した。
“全身プラダ”で黒のドレスを身にまとい、ツアー初優勝者に贈られる高級時計・ロレックスを左手首につけて、華やかな会場に登場。日本とはずいぶんと異なるアワードの雰囲気を楽しんでいるかと思われたが、本人の表情はかなりこわばっていた。
それは、表彰式中に“英語”でのスピーチが控えていたから。「AIG女子オープン」(全英)で初優勝を飾り、「メイバンク選手権」で2勝目。そして竹田麗央ら日本人選手同士で上位を争った新人賞を戴冠した。日本勢としては1990年の小林浩美、2024年の西郷真央に続く、史上3人目の快挙。そんな栄えある賞の受賞者として先週、スピーチの依頼が来た。
英語を披露するのは初めて。「緊張のほうが勝っているので…。(スピーチ内容を)考えてから一日も経っていないくらい。大丈夫かなって心配です」。そう話す間にも“決戦”の時間は刻々と近づいてくる。
受賞者が順番に表彰されて、いよいよ山下の番。身長150センチの“小さな巨人”には演台はちょっぴり高かったが、マイクを口元に下げて、深呼吸して話し始めた。
『Ladies and Gentlemen. I am truly honored to win this award. I am very happy to stand here today. I am also grateful to have my name included among many wonderful players who have won this award before me. I will keep working hard and try to win many more tournaments. Thank you very much.』
(この賞を受賞できてとても光栄です。本日、この場に立たせていただき、とてもうれしいです。そして、これまでこの賞を受賞された数多くの素晴らしい選手とともに、私の名前が連ねられることに感謝します。これからも努力を重ね、より多くのトーナメントで優勝できるように頑張ります)
2度ほどカンペを確認しながらも、文章を丸々暗記した60秒ほどのスピーチ。司会者も『ミユウがいつも日本語で会見をしていることを知っている。だからこそ素晴らしい!』と称え、会場は大きな拍手に包まれた。
新人賞のみならず、ツアー初優勝者、さらにはプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手賞)候補者としても紹介され、合計3度登壇。舞台を下りて、「頭真っ白でした…」と開口一番。やっと表情を緩めた。(文・笠井あかり)
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