<伊藤園レディス 事前情報◇13日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72>
今季の国内女子ツアーは残り3試合。2431.11ポイント(pt)でメルセデス・ランキング1位に立つ佐久間朱莉が、年間女王戴冠へラストスパートをかける。
今大会は3日間競技で、優勝者には200ptが加算される。次戦の4日間競技「大王製紙エリエールレディス」は300pt、最終戦のメジャー大会「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では400ptが優勝者に与えられる。ランキング2位の神谷そら(1790.94pt)との差は640.17pt。今大会終了時点で佐久間と神谷の差が700ptを超えれば、佐久間の年間女王が確定する。
周囲では「(佐久間が)何位なら決まるのか」という話題も出ているが、佐久間自身は意に介していない。「そらはそら、自分は自分なので。自分のプレーに集中して、それでそらが勝ったらしょうがない。私が何位でそらが何位で…。(要は自分が)勝てばいいんですよね」と力強く笑った。
そんな佐久間だが、水曜日の練習グリーンでは左打ちでパッティングを行う姿があった。「(左打ちは)パターから始めたんですけど、少しずつ取り入れています。バランスと目のズレを直すためにやっています」。
専属トレーナー・藤山和也氏の提案で、今年9月の「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」から導入。契約しているPINGに左用のパターと9番アイアンを用意してもらい、パッティングは1回の練習で5分ほど、ショットも練習打席の状況に応じて左打ちを行っているという。
この左打ち練習は、特にロングパットで効果を発揮している。「左でロングパットのタッチを合わせるようにすると、右のタッチも良くなった印象はあります。右で打つほうが簡単なので、(右で打つときに)『簡単じゃん』と感じますね」と話す。感覚による部分は大きいが、現状ではそのアプローチが結果に直結している。
左で打つ際もグリップは右手が下、左手が上。「利き目が左なので、左が強くなる」ということから、左打ちでは右目を使ってバランスを整えている。
舞台となるグレートアイランド倶楽部のグリーンは「傾斜が段になってきついホールもあれば、17番とかは比較的フラットなので、そこの差はすごいなと思います」と警戒を強めている。
優勝スコアは「15(アンダー)ぐらい」と予想するが、そのスコアを出すためにも「傾斜があるところはラインをしっかり読んでタッチを合わせないといけないし、微妙なラインは決め打ちしないといけない。悩みながら打つとミスに繋がるので、メリハリをつけて勝ちたいです」と戦略を立てている。上り調子のパッティングが勝利のカギを握りそうだ。
「年間女王への思いは強いですし、早いうちに決められたらいいなっていう気持ちはもちろんある。自分のプレーに集中して、優勝したら決まりなので、ただひたすらに勝ちたいという思いでプレーしたい」。闘志を燃やし、NO.1の称号をつかみにいく。(文・高木彩音)
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