クラブはもちろんだが、なかなか自分に合ったものを選ぶのが難しいのがボール。ではいったい、プロとしてツアーを戦う選手たちは、どのような基準で今のボールにたどりついたのだろうか? 25歳以下のプロテスト合格を目指す選手たちがしのぎを削る「マイナビネクストヒロインツアー」に出場する選手たちに、その“ボール愛”を語ってもらった。みなさんもこれを読んで、選択する基準の参考にしてみてはいかが? 今回は11日に開催された第16戦「Dormy Ladies Cup」に出場した、伊藤花に聞いた。
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ネクヒロの“東北福祉大5人娘”のひとり、23歳の伊藤は2024年3月に発売されたキャロウェイの『クロムツアーX』を愛用している。同社の『クロムツアー』などさまざまなものを試し、いきついたのがこの“X”だった。その理由についてこう説明する。
「やわらかいボールは飛ぶけど、スピンがかかりすぎることもあった。このクロムツアーXは(フェースに)吸いつきつつ反発してくれて、風にも強い。“芯がある飛び”という感じで私は好きなんです」
もともとボールを選びうえで大事にしているポイントに、「ドライバーの弾き感や飛び方が一番大事にしてます。あとはパッティングの打感。硬すぎると球離れが早すぎて、こすっちゃうことが多い」と話す。そしてここでも「吸いつきつつ、ちゃんと飛んでくれる。フェースにしっかり乗って飛んでくれるのが好き」とも。この“吸いつく感覚”が魅力と感じている。
さらには、こんなアドバンテージについても言及する。「硬い分、傷が浅くて長持ちするんです。軟らかいボールだと1、2ラウンド終えるとディンプルが無くなってることもあるけど、硬いと長く使えるので」と言ってニッコリ。打感、そして使用感ともに“球もちの良さ”が際立っているようだ。
クロムツアーXを使用してから、「他のボールをまったく試していないんです」というほどだから、相当なお気に入り。「当分このボールでいきます」と信頼は強い。
また、こんな“伊藤流”も教えてくれた。「私は3番と1番を使っています。3番を使うと調子がいい。でも、たまに1番を使って“リセット”することもあります。1番でリセットした日はもう3番は使わないんです」。もともと、この“3”は伊藤のラッキーナンバーだという。一球のボールに対して、さまざまな角度で考えていることがうかがえる。
ちなみに伊藤の趣味が裁縫というのは、ツアー内でよく知られているところ。この日の試合にも「カバンを替えて、ちょうどいいサイズのものがなくなったので」と自作の新作ポーチを持参していたのだが、これがまさにプロ級の仕上がり。練習や試合を終え、寝る前に少しずつ作業を進め、1週間ほどで完成させたという。
「姉が買ってくれた」という新しいミシンで作った「第1号」のポーチは、売り物と見まがうほど。ボールへのこだわりだけでなく、ゴルフ以外の一面にも触れた時間だった。
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