<TOTYOジャパンクラシック 事前情報◇4日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
日本のエースとして米ツアー勢を迎え撃つ佐久間朱莉は、気合十分だった。「ルーキーのときから出たかった大会に、メルセデス・ランキング1位として出られることはすごくうれしい。『JLPGAにもいい選手がたくさんいるんだぞ』というところを見せたいです」。シーズン終盤。年間女王を目指すうえでも、優勝争いはマスト、と自分に課している。
プロ2年目の2022年から4年連続出場だが、これまでと立場は大きく変わった。初出場時は143位だった世界ランキングも、日本ツアー勢では最上位の49位に躍進した。
日本ツアーの看板を背負って立つ存在となった22歳は、「世界の上位者と一緒に回れるのでワクワクしている。コースとの相性も悪くない。状態も去年に比べるといいと思うし、自信を持ってプレーできる」とほほ笑んだ。
優勝すれば、米ツアーメンバー入りができ、2年間のシードも獲得できる。「来年も軸足は日本」と早くから明言し、Qシリーズ(米最終予選会)の挑戦も見送ったが、最短ルートで米国行きの切符が手に入るとなれば、話は変わってくる。「どうかな。(米ツアーに)行く可能性は3割くらい。そのことは勝つことができたら考えます」。昨年の竹田麗央の再現となる大きな“ニンジン”も、やる気スイッチを押している。
この日はアウト9ホールをチェックした。「けっこうグリーンの傾斜がきつい。場所によっては“チョン”しか打てないところもある。セカンドショットの置き場所に気をつけて、マネジメントしたいです」。
3日間の短縮競技となった昨年は、パーオン率77.8%(42/54)に対し、平均パット数は30.33とグリーン上で苦戦した。順位も初出場時から22位、76位、39位と上位に絡めていないが、主役の一人として臨む今回は、「日本ツアーの意地を見せたい」と気持ちが入っている。
初日の組み合わせも、女王候補の背中を押す。先週の米女子ツアー「メイバンク選手権」で最終日に8打差を追いつき、プレーオフを制して米2勝目を挙げた山下美夢有、世界ランキング3位でフィールド最上位のミンジー・リー(オーストラリア)とのペアリングになった。
「美夢有ちゃんは先週勝ったし、今週一緒にやれたらいいな。あとはミンジーさんの技を盗みたいです」。希望通りの競演は、間違いなくプラスアルファの力となるはずだ。
ドル建ての優勝賞金31万5000ドル(約4851万円)は、日本ツアーとしては今季2番目の高額大会。5400万円で1番目の「アース・モンダミンカップ」、3600万円で3番目の「マスターズGCレディース」は、ともに佐久間が制した。「わぉ~」とおどけた女王候補には、日米のライバルを退け、“総どり”できる勢いと力を持っている。(文・臼杵孝志)
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