今季はQTランク30位の資格で開幕からレギュラーツアーに参戦し、2戦連続2位になるなどの活躍を見せていたプロ3年目の仲村果乃が「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝。決勝ラウンドではフェアウェイキープ率93%(13/14)、パーオン率89%(16/18)の安定感あるプレーを披露した。そのスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々にも参考になるポイントを聞いた。
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遠くからでも誰が振っているのかわかる個性的な部分がありますが、スイング全体はオーソドックスでオンプレーンに振っている印象を持ちました。
個性的なのは始動からバックスイングにかけての動き。両ヒザを“トン”と軽く曲げてから始動するフォワードプレスを入れ、クラブを“パン”と上げていきます。ヘッドの軌道は、低く長くではなくやや外に、トップではリバースピポットのように見えます。クラブがタテに上がりながらも、肩の回転はヨコなので、バックスイング後半ではオンプレーンに。体重移動が少ないので、リバースの動きが大きくなることはありません。
インパクトからフォローにかけては左足が微動だにしない、左の壁が作れていて右サイドを押し込んでいきます。飛距離につながるポイントで、足首の柔軟性があり、トレーニングを積んでいることが伺えます。
フォローではクラブをタテに振り抜いていきますが、体はやはりヨコ回転。クラブはクラブ、体は体とそれぞれの動きがしっかりしているので、たとえ調子が落ちても修正しやすい、調子の波が小さくできるスイングだと思います。
「クラブを上げるタイミングがつかめない」「毎回バックスイングがバラバラになる」など、始動からバックスイングにかけての動きがしっくりこないなら、仲村さんのように始動のきっかけとなる動き、フォワードプレスを取り入れてみてください。
シンプルなのは目線と手元を連動させること。アドレスしてから目標を確認し目線をボールへと戻しますが、その目線を戻すスピードとバックスイングでクラブを上げるスピードを同調させるんです。目線を戻し手元を目標方向へと動かしスイングをスタートさせますが、フォワードプレスを入れた時にちょうど良くなるように、動き出す前の手元の位置は内側に入れておくのがいいでしょう。
他にも右ヒザを内側に動かしたり、足踏みしてから手元を動かしたり、フォワードプレスにはバリエーションがあります。「これなら動きやすい!」が見つかれば、プレッシャーがかかる場面でも、いつものスイングがしやすくなるでしょう。
■仲村果乃
なかむら・かの/2001年生まれ、京都府出身。2022年のプロテストに合格。今季はQTランキング30位の権利で開幕からレギュラーツアーで戦い、2戦連続2位タイに入るなどの活躍を見せ、第2回リランキングを1位で突破。11月の「樋口久子 三菱電機レディス」で初優勝を遂げた。Plenus所属。
■南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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