乗りものニュースで読者アンケートを実施。「便利な直通運転」に関して東急東横線を中心とした6路線を挙げる意見が多く挙がりました。
6路線が乗り入れ、単体ではどこまで?
「乗りものニュース」では、2025年10月8日(水)から10月15日(水)にかけて、読者アンケートを実施。便利だと思う鉄道の「直通運転(乗り入れ)」や、「復活してほしい直通運転」「今後、直通運転してほしい路線」などについて意見を募集しました。
「便利だと思う直通運転」として多く挙がったのは、「東急東横線」の直通運転で、およそ60票が集まりました。
「東京西部から横浜へは乗り換え、混雑で非常に不便だったが一気に解決された」(60代・男性・首都圏在住)
「横浜~渋谷・新宿・池袋・埼玉南西部間を1本で行けるから」(30代・男性・首都圏在住)
「6路線が繋がっているので、関東の西側ならどこにでもすぐにいけるから」(10代・男性・首都圏在住)
「東横線との5直はかなり便利に使わせてもらってます。仕事も遊びもこの路線1本で一生暮らしていける」(20代・男性・首都圏在住)
東急東横線は現在、横浜高速鉄道みなとみらい線、東京メトロ副都心線、西武池袋線、東武東上線、相鉄線と6事業者にまたがる直通運転を実施しています。東横線の本来の区間は渋谷~横浜間ですが、うち、みなとみらい線については実質的にその延長部のような存在で、元町・中華街まで直通しています。
「新幹線停車駅の新横浜駅へのアクセス手段が強化された」(20代・女性・首都圏在住)
「東急新横浜線開通して今まで東京駅まで行って乗っていた東海道新幹線が新横浜駅から乗れるようになって便利になった」(20代・男性・首都圏在住)
2023年の東急新横浜線開通により、東横線は相鉄本線・相鉄いずみ野線とも直通運転を開始し、各地から新幹線停車駅・新横浜へ乗り換えなしで行けるようになった点が高く評価されています。
また、東横線と並行する東急目黒線は、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道(埼玉スタジアム線)と直通。JR湘南新宿ラインや上野東京ラインとあわせ、東京や埼玉方面から横浜方面へ向かう利便性がさらに高まりました。
もはや“1路線”なのでは
「乗り換えが必須だった東横線と副都心線が、列車1本でつながったことで便利になったうえ、全体としての所要時間も短くなった。また、座席の確保がしやすくなった」(10代・男性・首都圏在住)
「元町・中華街駅から森林公園駅まで、座って帰れる」(50代・男性・中部在住)
「西武球場に行くとき時間にもよりますが直通運転してくれることがありがたい」(10代・男性・首都圏在住)
このほか、副都心線内は急行で、西武線・東武線と横浜方面を結ぶ最速達列車を表す「Fライナー」の存在が便利だと挙げる人も。西武線系統のFライナーは、土休日にベルーナドームでプロ野球などのイベントが開催される際、日中の小手指行きの1本(副都心線内は急行、西武線内は快速)が西武球場前行きとなり、横浜スタジアムとベルーナドームという2つの野球場を結びます。
「いつも混雑しているJR東海道線・横須賀線・京浜東北線・湘南新宿ラインを使わなくても東京都心方面へアクセスできるため。特に、相鉄線内からだと渋谷、新宿、池袋、新橋、東京方面へ直接、座ったまま行けることが多いのですごく便利です」(30代・男性・首都圏在住)
「東京でJRが運転見合わせした時に私鉄同士の直通が多いので振替輸送でも乗り換え無しで目的地に行けてしまう」(50代・男性・中部在住)
「東横線が副都心線と直通したことによって、渋谷池袋間の移動において、山手線がストップした際の別の移動手段が出来たこと」(30代・男性・首都圏在住)
「副都心線等が直通するお陰で小田急の遅延対策の振替が効く事で安心して行かれる事で安心しました」(30代・男性・首都圏在住)
横浜~池袋間を例にすると、JR線と東横線の所要時間は大きく変わりません。しかし、利用者の分散や遅延時の迂回ルート確保など、直通運転によって移動の選択肢が広がり、利便性を大きく高めたことがうかがえます。
増えた直通、しかし廃止された直通運転も
一方、アンケートで「すでに廃止されてしまったが、復活してほしい直通運転」に関する意見も募集したところ「東横線と東京メトロ日比谷線」が135票と最も多くの集めました。
中目黒駅で接続する東横線と日比谷線の直通運転は、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)まで直通する形で行われていましたが、副都心線との直通開始にともない2013年に廃止されました。
「西日暮里への移動が東横線~日比谷線直通によって乗り換え1回で済んでいた」(20代・女性・首都圏在住)
「東横線が日比谷線と直通運転してた頃、日比谷線内を急行運転した実績がある」(50代・男性・首都圏在住)
アンケートでは、通勤・通学で利用していた人から復活を望む声が多く寄せられましたが、一方で「中目黒駅で同じホームで乗り換えができるため、現状でも十分便利」(50代・男性・首都圏在住)とする意見も見られました。現在は、東横線の菊名発着・渋谷行き列車が日比谷線直通時と同程度に設定されています。
そうした歴史もある東横線の直通運転ネットワークですが、今後、さらに変化しそうです。東急多摩川線から蒲田駅を経て京急蒲田駅を結ぶ「新空港線」(いわゆる蒲蒲線)が、将来的に「東横線・東京メトロ副都心線・東武東上線・西武池袋線」との相互直通運転を行う計画です。
					
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