<Sky Look up Ladies Cup 最終日◇24日◇グリッサンドゴルフクラブ(千葉県)◇6441ヤード・パー72>
勝てそうで勝てない…。そんな日々ともおさらばだ。
今季のマイナビネクストヒロインゴルフツアーで2位が2回、3位が3回と、あと一歩のところで優勝を逃してきた佐渡山理莉が、8バーディを奪う会心のプレーで「65」をマーク。鮮やかな大逆転劇で今季初優勝、ツアー通算3勝目を挙げた。
首位と2打差の4位タイから出た佐渡山だったが、出だしの1番パー5でバンカーからのセカンドを大きく引っかけて、手痛いボギーが先行。チャンスホールを落とす苦しい幕開けに見えたが、そこから始まったのは他を圧倒する“佐渡山劇場”だった。4番から3連続バーディを奪ってスコアを伸ばすと、前半さらに2バーディをマーク。後半に入っても勢いは止まらず、13番でこの日6つ目のバーディを奪ったところで単独首位に躍り出た。
「13番を終えて首位に立ったという情報が入ってきました。後ろも伸ばしてくると思っていたので意外でしたが、優勝争いをしていることを知って気を引き締めました。順位を知らない方が良いという人もいますが、私は順位を知った上でマネジメントを立てるタイプ。そこからはずっと緊張していましたが、優勝するために攻めてバーディを取ろうと考えました」
単独首位に立ってからも安定したショットでグリーンを捉え続け、15番もバーディ。2位に2打差をつけて迎えた18番パー4ではドライバーを使ったティショットで1オンに成功した。2パットのバーディで9アンダーまでスコアを伸ばし、圧巻の舞台はハッピーエンドを迎えた。
驚異的なプレーを支えたものの一つに、新投入したパターがある。佐渡山はこれまでブレードタイプのパターを愛用してきたが、今大会では『シーモアパター』のゼロトルクタイプのモデルを使用した。
「周りがやさしいタイプのパターを使っているし、ちょっと試してみようという感じで使いました。ゼロトルクは構えが一番難しくて、ハンドレイト気味に構えることに慣れなくて、初日の前半は19パットしてしまいました。しかし、初日の後半にはコツをつかむことができ、きょうは入り過ぎて面白かったです。速いグリーンとの相性も良かったですね。重いグリーンだとどうなるか分からないので、コースによってエースと使い分けていきたいです」
これまでツアーを代表する実力者としてネクヒロを牽引してきた佐渡山だが、25歳となった今年で卒業となる。「最後の年に優勝できて、これで心残りなく卒業できそうです。今、マイナビポイントランキングで1位を争っているので、残りの試合は全て勝つつもりで、最後まで諦めずに頑張ります」。今季も残り試合は少なくなってきているが、来月には優勝賞金500万円の最終戦が控えている。この日、得た自信と新たな武器を手に、佐渡山が有終の美を飾れるか注目だ。(文・田辺直喜)
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