<アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 2日目◇24日◇エミレーツGC(アラブ首長国連邦)◇7289ヤード・パー72>
首位と1打差から出た中野麟太朗(早大)が面目躍如だ。1イーグル・6バーディ・2ボギーの「66」で回り、首位タイに躍り出た。順調な試合運びを見せる一方で、思わぬトラブルにも見舞われた。
大会が用意したキャディを起用していたが、初日は練習日と異なるキャディに交代するトラブルが発生。それでも冷静に乗り越え、4位発進を決めた。すると2日目はスタート直前になってもキャディが現れないという“事件”が起きた。
ギリギリになって現れたそうだが、ティオフは目前。この緊急事態に、キャディを務めたのは現地で観戦していた日本人だった。ドバイ駐在の商社マンで、同ゴルフ場のメンバーでもあるという。
日本人選手を応援しに訪れていたが、中野のピンチを見てキャディを申し出た。キャディ経験はなかったが、「邪魔しないことだけを心がけた」と語り、18ホールを無事に回り切った。
中野は「色々あるんだな」と振り返る。前半こそ不安を抱えながらのプレーだったが、2バーディ・1ボギーの1アンダーでまとめると、後半は気持ちを立て直し、10番で1つ伸ばす。さらに13番パー5では2オンから8メートルのパットを沈めてイーグルを奪取。17番からの2連続バーディで、この時点では単独首位でホールアウトした。
トラブルにも動じず、好調を維持。ただ、昨年大会では悪天候による順延続きのなか上位をキープしながらも、最終日に力尽き3位に終わった苦い経験がある。「僕の場合、集中しすぎると疲れる。去年の最終日じゃないですが、温存して淡々としたゴルフを続けて行きたい」。同じ轍は踏みたくない。
昨年と同じく2日目で首位に浮上した中野。ピークを最終日の9ホールに持っていけるよう、冷静なプレーを貫く。(文・齊藤啓介)
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