
中止の可能性が報じられていたPGAツアーの2026年シーズン開幕戦「ザ・セントリー」について、PGAツアーは22日、開催中止を正式に発表した。
2025年大会を制したのは松山英樹であり、これにより松山のタイトルディフェンドの可能性は2027年大会へと持ち越されることになる。2026年シーズンは、1月15〜18日にハワイ州ホノルルのワイアラエCCで行われる「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で開幕する。
「ザ・セントリー」は毎年、ハワイ州マウイ島のプランテーションコース・アット・カパルアで開催されてきた。しかし同地域の水不足によって郡の取水システムに問題が生じ、9月にはコースがクローズ。PGAツアーは代替地での開催を検討していた。
だが、「ハワイ州や州外での開催を検討した結果、輸送の締め切り、大会のインフラ整備、業者への支援が間に合わないことから、2026年の『ザ・セントリー』の開催は不可能と判断した」とPGAツアーは説明。「カパルアでの開催が不可能となった以降も、タイトルスポンサーのセントリーと協議を重ねてきたが、大変残念な結論となった。ザ・セントリー保険の多大な尽力と理解に感謝したい」とコメントを発表した。
同大会は2026年シーズンの“シグネチャーイベント”のひとつであり、2025年のツアー勝者のみが出場できる「トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でもある。
そのため、2025年シーズンをフェデックスポイント50位外で終えたものの、ツアー優勝により「ザ・セントリー」の出場権を保持していた選手には、賞金総額2000万ドル(約30億円)のシグネチャーイベント「RBCヘリテージ」(4月16〜19日・サウスカロライナ州)への出場資格が与えられるという。
セントリーは2018年から年初大会のタイトルスポンサーを務めてきた。2024年にシーズンが再び1月始まりに戻って以降は開幕戦として位置づけられ、PGAツアーとの契約も2035年まで延長されている。(文・武川玲子=米国在住)