<ファンケルクラシック 女子エキシビジョンマッチ 初日◇18日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6109 ヤード・パー72>
「ファンケルクラシック」では2022年から女子プロゴルファーによるエキシビジョンマッチを実施している。昨年までは女子のシニアプロが出場していたが、今年は30歳以上45歳未満の女子プロによるペア戦「LADYGO CUP」をプレーしている有村智恵、佐伯三貴、原江里菜、宮里美香、青山加織、大江香織の6人が、2日間36ホールのストローク戦に出場した。
その初日は1イーグル・4バーディ・2ボギーの「68」をマークした宮里が、4アンダーで単独首位発進を決めた。会場となる裾野カンツリー倶楽部(静岡県)でのラウンドは今回が初めて。「すごくアップダウンがあるなというのが第一印象。グリーンの読みも難しくて、(グリーンの)状態がすごいいいので、回っていてすごく楽しかったですし、自分自身もそんなに悪いショットはなかったと思う」と話した。
最終18番パー5では、先にホールアウトした佐伯に1打差の2位で臨み、セミラフながら残り196ヤードを5番ウッドで2オンに成功。1.5メートルのイーグルパットを沈めてトップに立った。「みんな見てくれているから『狙うか』と思って打ったらうまく転がってピンの近くまで行ってくれた」と、ギャラリーを沸かせながらプロとしての意地を見せた。
単独首位で迎える最終日は「思った以上にいいゴルフができたので、明日も引き続きできたらいいなと思いますし、もっと攻めるゴルフを皆さんにお見せできたらいいなと思います」と意気込んだ。
一方、今年4月1日のエイプリルフールに結婚を発表した佐伯は、1イーグル・3バーディ・2ボギーの「69」をマークし、3アンダー・2位で最終日を迎える。「リアルにアンダーパー今年3回目ぐらいです。いつも下手くそなので、きょうは良かったです。でも全体を通してはできないので、できないことはしないっていうのを心に決めて、ピンを狙わずに安全第一でいきました」と振り返る。
最終18番パー5は184ヤードから4番ユーティリティで2オンに成功させ、1パットで沈めてこちらもイーグル締め。満面の笑みで両手を挙げるとギャラリーから拍手と歓声を浴びた。
国内女子ツアーで通算7勝を挙げ、2019年の「大王製紙エリエールレディス」を最後にツアーの第一線から離れ、現在は、東北福祉大学ゴルフ部のコーチ、テレビ解説、さらにはYouTubeなどその活動は多岐にわたる。「(ゴルフは)恥ずかしいぐらいやっていないんですけど、気持ちで。きょう初めて旦那さんが観に来ているので、頑張ろうかなと思えています」と夫でボートレーサーの森照夫が初めて自身のプレーする姿を見てくれている。それも好スコアの要因だ。
「いつも私は旦那さんのことをめちゃくちゃ文句言っているので、私も言われるかなと思いましたけど、なんか喜んでいました」と笑みをこぼす。
いつもはペア戦のLADYGO CUPだが、今回は個人戦。「本当にいい緊張感で、いいスイングリズムの選手と回っているので、なんか昔を思い出しながら、なおかつ自分に無理はせずに」と、懐かしさを感じつつも久しぶりの真剣勝負を楽しんだ。
シニアツアーとの合同試合は「面白いですよね、本当に。シニアの方も久しぶりに会いましたし、逆に『(私たちが)若い若い』みたいな(笑)。そこがまたいいところかなと。だから今回みたいに2組ではなくて、来年は規模が大きくなればもっと盛り上がるんじゃないかなと思います」と来年の開催にも意欲を示す。
首位に1打差で迎える最終日ではあるが「欲はかきませんよ。目の前の1打を一生懸命打って、少しでもスコアをよくできるように。きょうみたいなプレーとかは望まないですけど、旦那さんが来ているので、頑張りたいと思います」と気負うことなく戦う。逆転し、夫に最高の笑顔を見せたい。(文・高木彩音)
【ファンケルクラシック 女子エキシビジョンマッチ 初日の成績】
1位 -4 宮里美香
2位 -3 佐伯三貴
3位 0 原江里菜
3位 0 有村智恵
3位 0 青山加織
6位 +1 大江香織
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