PGAツアーの“しわ寄せ”? 米シニア年金20%カットに怒りの声が続出

50歳以上のプレーヤーが戦うPGAツアーチャンピオンズは、PGAツアーで活躍した往年の名選手たちが再び集い、しのぎを削る“第2の人生”ともいえる舞台。そんなツアーで今、改革の波が続いている。
今年から「最終予選会の廃止」が決まったばかりだが、今度は選手が受けとる「年金」が20%カットされることが明らかになった。米ゴルフウィーク誌がPGAツアーに確認を取って報じ、他の米メディアもこれに続いた。

2024年の年間年金総額は1000万ドル(約15億円)。それが2025年には20%減の800万ドル(約12億円)になる見込みだ。

選手が受け取る金額は、キャリア通算の獲得賞金、出場年数、そして年金プログラムの資格要件によって決定される。固定額ではなく、総額の配分によって実際の受取額が変動する仕組みだ。

例えば、PGAツアーチャンピオンズでは各試合で48位以内に入れば年金を受けとるクレジットを獲得でき、年間12試合以上の出場が条件となる。支給額は資格規定と過去の成績に基づき、個別に分配される。

PGAツアー通算7勝、PGAツアーチャンピオンズでも2勝を挙げているピーター・ジェイコブソン(米国/71歳)は「とてもがっかりした」とゴルフウィーク誌にコメント。

「PGAツアー潤沢な資金を持っているのは明らかだ。だが、その多くをトップ選手がLIVへ行くのを止めるために使っている。そしてPGAツアーも次第にLIVゴルフのようになっている。PGAツアーの一部の選手に多額の報酬が集中し、チャンピオンズの選手たちはPGAツアーの決定に従って生きていくしかない」と不満をあらわにした。

2024年、2024年、PGAツアーは米国の大手スポーツオーナーグループ「SSG」と提携し、新たに設立した営利企業に約30億ドル(約4573億円)を出資。ツアーの運営体制を刷新した。今年6月にはブライアン・ラロップ氏がCEOに就任。現コミッショナーのジェイ・モナハン氏は2026年末で退任することが決まっている。

PGAツアーは昨今、PGAツアーチャンピオンズを取り巻く環境、スポンサー離れや来場者減少などを課題として認識している。だが、今年12月末に50歳を迎えるタイガー・ウッズ(米国)が参戦すれば、ツアーの注目度が一変する可能性もある。(文・武川玲子=米国在住)

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