上昇ムードのルーキー・六車日那乃 一時首位に並んだ原動力は「脱力ゴルフ」

<SkyレディスABC杯 最終日◇10日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>

一時は首位に並んだルーキーの六車日那乃が、トータル1アンダー・5位に食い込んだ。9位からスタートすると、7番パー4で残り90ヤードの2打目をピン手前2.5メートルにつけて、この日4つ目のバーディを奪取。この時点で首位を捉えた。
「すごくよかったです。前半は…ですけど。自分の思ったところに打てて、チャンスをしっかり決められた。後半はちょっとしたミスが大きなミスにつながったけど、最後はバーディで上がれてよかった」

初Vを狙ってターンした10番パー4でダブルボギーを叩いた。「引っかけて、ドローが強くなった。思った以上に飛んでしまった」とフェアウェイからの2打目をグリーン下の11番ティまで落とす痛恨のミス。13番パー4でもスコアを落とした。それでも、最終18番パー5は池越えの2オンに成功。残り195ヤードをピン奥12メートルに乗せ、2パットのバーディで締めくくったルーキーは「優勝はできなくても、上位にいることが大事」とトップ5に滑り込んだ最終ホールのプレーを自賛した。

今週は気づいたことがあった。構えたら余計な力が入る。それゆえ「レベルに振れなくなって、いろんなところがおかしくなる。力を抜くことを意識しました」という。だから、前半に3つ伸ばしたハーフターンのときも順位を確認しなかった。「いいところにいることは分かっていたので、見たら硬くなる。あえて、見ませんでした」。今週のテーマは『脱力』。心がざわつく情報は遮断して、「きょうが一番よかったです」とうれしそうにほほ笑んだ。

5度目の挑戦でプロテストに合格して、1年目のシーズンを戦っている。レギュラーツアーは11試合に出て、7月の「ミネベアミツミレディス」の15位はあるが、6度の予選落ち。第2回リランキングは47位に終わり、来季の出場優先順位を争うQTを見据え、シーズン終盤はステップでの連戦が続く。

最終日を単独首位から出た2試合前の「山陽新聞レディースカップ」は惜しくも優勝は逃したが、自己最高の2位に入った。その翌週の「中国新聞ちゅーピーレディース」は3位スタートから20位。今週は5位と調子は上向きだ。獲得賞金で争う明治安田ステップ・ランキングも15位に上がってきた。

「うまくいかなかったり、自分の理想とは違った1年になっているけど、学ぶことも多い。すごく充実しています。1打に対する思いとか、意識も変わりました。いろいろ考えながらやっています。残り試合も少なくなってきたけど、優勝を目指していきたい」

真摯にゴルフと向き合い、深く考える。コースに出れば、それを脱力ゴルフでシンプルに実践していく。万事控えめな性格の23歳は珍しく強気な言葉で最後を締めた。(文・臼杵孝志)

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