
<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇9日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>
先週の「日本女子オープン」を制した堀琴音は、メジャーチャンピオンという肩書を持って初めての試合になる。「今週、2週連続優勝のチャンスがあるのは私だけなので、上を目指して頑張りたいと思います」と意気込んでいる。
9年前のリベンジとなった優勝に、周囲の反響は想像以上に大きかった。「たくさんの方に『おめでとう』と言っていただけて、本当にうれしかったです。連絡は数えてないですけど、300件くらいは来ていたと思います」。これまでは“おめでとう”だけだった祝福の言葉に“これでメジャーチャンピオンだね”というひとことが加わることで、日に日に優勝の実感が増しているという。
優勝した夜は、「朝4時ぐらいまで寝られなくて、アドレナリンが出ていたんだと思います。そんなことは初優勝以来ですね」。一夜明けての月曜日は、以前から予定されていた、8月「CAT Ladies」で2年ぶりに勝利した櫻井心那の祝勝会を行い、「そこで私もちょっと祝ってもらいました」と笑顔で明かした。
最終日に急きょ駆け付けた森守洋コーチからは、インスタグラムでも長文のメッセージが送られた。『かつてこんなやばいやつが優勝したことあるのだろうか?』『ボールを見ないでパッティングしてメジャーを勝ったのもあなたが世界初』など、ユーモアにもあふれた内容だった。
「ディスりですよね(笑)。でも、一番曲がってる時に見ていただいて、“まさか、こっちゃんがメジャーを獲るなんて”って一番思っていたと思う。愛のある文章だと思ってます」。スランプからの復活を支えてくれた森コーチが喜んでくれたことは、堀にとってもうれしい出来事だった。
今大会に向けては、「このコースが好きです。グリーンがいつも通り仕上がっていて、少し硬かったので、気を付けていきたい」と話す。昨年は予選落ちを喫したものの、おととしは10位と上位でプレーした。通算3勝を挙げるも、シーズン2勝は未経験。念願のビッグタイトル獲得を契機に、一気にこれまでの自分を超えていく。(文・田中宏治)