
<ライダーカップ 2日目◇27日◇ベスページ・ブラックC(ニューヨーク州)◇7352ヤード・パー70>
現在、世界ランキング1位。米国チームを牽引するはずだったスコッティ・シェフラーだが、2日目もまさかの2敗と、白星をまだチームにもたらしてはいない。2日間で4戦に出場し0ポイントだったのは、1967年のピーター・アリス(イングランド)以来2人目。不名誉な記録も樹立してしまった。
初日はラッセル・ヘンリー、J.J.スポーンと組んで2連敗。2日目の午前は再びヘンリーと組みフォアサム(2人が1つのボールを交互に打つ方式)に臨んだが、ロバート・マッキンタイア(スコットランド)&ビクトル・ホブラン(ノルウェー)組に敗れた。
「流れを変えたい」と望んだキーガン・ブラッドリー主将は、情熱的なブライソン・デシャンボーとのペアにし、シェフラーをフォアボール(2人がそれぞれプレーし良いほうのスコアを採用)に送り込んだのだが…、残念ながら願った方向には動かなかった。
トミー・フリートウッドとジャスティン・ローズ(ともにイングランド)組の勢いを止めることができない。それどころかグリーン上でデシャンボーのキャディが、ローズのバーディパットのラインを踏んで、怒りをかうシーンまで見られたほどだ。
それでもローズは5メートル弱を沈めてバーディ。するとデシャンボーも3メートルを沈め返した。大声援の中でよろこぶデシャンボー。すると今度は、フリートウッドとそのキャディと、シェフラーのキャディを務めるテッド・スコット氏との“揉め事”に発展した。さらにスコット氏は、欧州チーム副主将のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)とも言い争い、それは16番ティまで続いた。
その16番ホールでは、マッチの継続を願って打ったシェフラーのバーディパットがカップまで届かず。まだ2ホールを残していたが、逆転の可能性が消えたため、ここで無念のホールアウトを迎えることになった。
「ブライソンと僕は良いプレーもいくつもあったが、相手チームが素晴らしかった。本当に脱帽ものだ。ブライソンは一日中戦い抜いてよくやった。本当に貢献してくれたが、我々は十分とは言えなかった」
世界1位は、そう言ってがっくりと肩を落とす。一方のデシャンボーは「最終日はまだ何が起きるか分からない。大きな差があるけれど、明日は歴史に残る大逆転劇になる」と強気の姿勢を崩さなかった。
2日目を終え、米国と欧州の差は7ポイントにまで広がった。最終日の個人戦では、ここまで何度も圧倒的な強さを見せてきたシェフラーが、一矢報いることはできるか?(文・武川玲子=米国在住)