
<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 2日目◇27日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6590ヤード・パー72>
好事魔多し。ゴルフ、そしてプライベートも充実している32歳の葭葉ルミにとって、まさにジェットコースターのような一日となった。
首位と1打差の6位からスタートしたが、序盤から苦しい展開に。2番、4番でボギーを叩くと、6番からは連続ボギーを喫した。しかし、「(チャンスに)ついたら、獲っていけた」と振り返るように、8番でバーディを奪うと、12番からは圧巻の3連続バーディ。一気に2位まで浮上した。
ところが、15番パー3で落とし穴が待っていた。グリーン手前に大きな池が広がる名物ホール。ティショットはグリーン左端に着弾し、跳ねたボールは無情にも池へ。さらに打ち直しの3打目は「いいショット」だったが、グリーンの傾斜に当たり、転がり落ちて再び池ポチャ。このホールで痛恨の『7』。4バーディがまさに水の泡となった。
それでも気持ちを切らさなかった。「シビアなパーパットが入ってくれた」と語るように、終盤3ホールでのピンチをしのぎ切った。最終的には首位と4打差の18位タイに後退したが、「風に翻ろうされて良くなかったですが、そのホール(15番)だけですし、我慢して頑張れた」と、表情は晴れやかだ。
そんな葭葉を笑顔にしているのは、プライベートの喜びもある。8月に一般男性と結婚。すでに報道もされ、関係者や選手仲間から多くの祝福を受けて「うれしかった」と話す。お相手は元ラガーマンだそうだが、意外にも今流行りのキャラクター「ちいかわ好きです」というギャップも。今週は来場していないが、試合にはよく足を運んでいるという。
「ショットも、パットもいい感じで打てている。アプローチのフィーリングもいい」。今季メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」でも3位に入るなど、メルセデス・ランキングはシード圏内の43位につけている。「ボギーにならないように。パーを拾えるように」と冷静に見据える最終日。2016年以来の復活Vへ期待が高まる。(文・齊藤啓介)