神谷そらが今季2勝目に人生初ガッツポーズ「一度はやってみたかったので…」 ダイヤモンド世代3人目の年間1億円突破

<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 最終日◇21日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6600ヤード・パー72>

神谷そらはコース上で喜怒哀楽をあまり表に出さない。ガッツポーズなどもってのほか。最終18番の“サヨナライーグル”で今季初優勝した5月の「Sky RKBレディス」のときも、劇的すぎる逆転に驚いたような笑顔だけだった。
だが、今度は余裕があった。決めれば2勝目が決まる短いパーパット。同組の2人のプレーがしている間に考えた。「Skyのときは集中して忘れていた。知り合いの方などに“2勝目のときは見たい”と言われていたし、一度はやってみたかったので…」。力強く握った両こぶしを真っすぐ空に突き上げた初めてのガッツポーズ。全身で喜びを表現した。

最終ホールで決着した、混戦の優勝争い。首位タイから出た神谷の立ち位置も目まぐるしく変わった。3バーディ・3ボギーともたついた前半は1打差3位に後退。4メートルを沈めた11番パー3、残り172ヤードの2打目をピンそば60センチにつけた13番、2打目をグリーン近くまで運んだ15番パー5で奪った後半3つのバーディで結果的には逃げ切りVとなった。だが、佐久間朱莉に次ぐ今季2人目の年間複数回優勝への流れは、出だしの1番のバーディできっちりと作っていた。

ティショットを280ヤード以上先のフェアウェイに運び、残り94ヤードの2打目は48度のウェッジでピン左1メートルにつけた。今季のドライビングディスタンスは261.97ヤードで1位。パーオンしたホールの平均パット数も1.7487で1位。誰よりも遠くに飛ばし、「今、一番取り組んでいる」というパーオンもクリアしてのバーディ発進。その後に訪れる歓喜の瞬間を予感させる、完璧なスタートだった。

この大会は、ルーキーイヤーの2023年は熱中症で直前に欠場した。昨年はひじ痛で2日目に途中棄権。「フェアウェイが狭くて、刻むホールが多いから」と苦手意識もあったコースを“3度目の正直”で完走し、優勝のゴールに飛び込んだ。メルセデス・ランキング(MR)は3位から2位に上がり、トップの佐久間とは302.39pt差に詰めた。

今季も残り10試合。年間女王争いも白熱してきたが、「そこは何も意識していない」。プロ1年目に2勝を挙げたが、昨年は左足首痛などで優勝争いに加わることもできなかった。米ツアー参戦を目指した2次予選会(Qシリーズ)も138位と惨敗。復活を目指し、渡邉彩香らを指導する坂詰和久コーチに新たに師事する今季は「結果はまだ出ないと思っていた。Skyの優勝もまぐれ。今年は調整や準備の1年にしようと思っていた」という。

今回の優勝で生涯獲得賞金は2億1041万8677円、年間獲得賞金は1億73万円とともに大台を突破した。「2億円のことは知っていました。今季中に超えたいとは思っていたけど年間1億円もですか!? やったぁ!」。

優勝会見で初めて知ったダブル突破。「物欲はないけど、年間1億はトッププロの証し。うれしいです」。人生2度目のガッツポーズともいえるバンザイで、2003年度生まれのダイヤモンド世代では竹田麗央、櫻井心那に続く3人目の大台突破を喜んだ。

2年前に自己最高58位まで上がった世界ランキングは、今季開幕前には206位にまで落ちたが、今大会前には116位まで戻し、優勝でさらなるアップも確実になった。本人はまだ過程と位置づけているが、完全復活を告げる今季2勝目。「もう暑くもないと思うし、休まず頑張ります」。実りの秋に向けて、このまま全力で突っ走り、「反響次第かな」と笑ったガッツポーズを何度も披露する。(文・臼杵孝志)

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