
<日本シニアオープン 最終日◇21日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>
56歳のサマヌーン・スリロット(タイ)が、今年のシニアゴルファー日本一に輝いた。単独トップで迎えた最終日、3バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「72」をマーク。トータル14アンダーで逃げ切りVを果たした。
「メジャー大会はどうしても勝ちたい試合だった。勝つことができてと、とてもうれしい」。2023年の「日本プロゴルフシニア選手権」以来のツアー通算2勝目となった。
今回のキャディは息子・ボスさん。4度目のタッグで初めて栄冠をつかんだ。「いままではゴルフバックをカートに乗せてもらってのキャディだったけど、今回は4日間担ぎだったので、すごく大変だったと思う。すごく頑張ってくれたと思うし、そこが一番うれしい」と息子を讃えた。ボスさんは「日本のナショナルオープンは初めての優勝。とてもうれしい!」と満面の笑みを見せた。
「1回目に勝ったとき、またすぐ勝ちたいと思っていた。(初優勝から)とても長くかかりました」と待望の勝利だった。初優勝後はショットの方向性に課題を感じ、2年前ほど前からスイング改造に取り組んでいたという。「コントロールもできるようになりましたし、前は曲がりが大きかったのを少し修正できた」。
さらに、飛距離アップのためにトレーニングにも励んだ。「2年間で20ヤード飛距離が上がった。自分でもびっくりだよ」と笑顔を見せる。この取り組みが、ナショナルオープンの舞台で結実した。
今大会の優勝者には、今年の国内メジャー「日本オープン」(10月16~19日)への出場資格が与えられる。「もちろん出るよ! 56歳の自分がどれだけ通用するのか楽しみ。僕もアップデートして飛距離も伸びたし、自信もある」と鼻息は荒い。
今シーズンの国内シニアツアーも残すは8試合。「今年はあと2勝したいと思っている。そして、2勝する自信がある」と強く意気込んだ。来週は歴代覇者として日本プロゴルフシニア選手権に出場。2週連続で日本タイトルを獲得し、日本オープンへ弾みをつけたい。(文・高木彩音)